近年では、癌治療用の分子標的薬と同時開発されるコンパニオン診断薬(CDx)が増えている。2018年5月の時点で13種類のコンパニオン診断薬が承認されている。しかし、分子標的薬ごとにCDxを開発するモデルは、そもそもコストがかかる。さらに同一分子マーカーをターゲットとして検査法が開発されているが、方法が異なる、また、判定基準が異なる、結果の互換性がないなどの問題が生じている。例えば、ALK阻害薬の投与時に実施するALK融合遺伝子陽性の有無を調べる遺伝子検査では、国内でファイザーの「ザーコリ」(クリゾチニブ)と中外製薬の「アレセンサ」(アレクチニブ)という、2つの薬剤が承認されたものの、ザーコリのCDxとしてはFISH法のみが、アレセンサのCDxとしてはIHC法に加えて、後発品のCDxとしてALK-FISH法が承認されており、薬剤ごとに実施する検査が異なっている。そこで、日本臨床検査薬協会は2015年6月、「個別化医療及び先進的医療において体外診断用医薬品/臨床検査機器が抱える課題とその対策に関する提言書」をまとめ、厚生労働省や医薬品医療機器総合機構(PMDA)などに提出した。同提言書では、上記のような問題を受け、薬剤とCDxについては基本的に1対1で対応させるよう求めた。もっとも、複数の薬剤に複数のCDxが開発されるような状況では、薬剤をスイッチするごとに似たような検査をする必要が生じるため、効率的とは言い難い。そこで、同種同効の薬剤に対するCDxについては、ハーモナイゼーションを進めたり、標準化を図ったりし、実施する検査の重複を防ぐ方策が必要とされた。一方米国でも、同様の問題が生じていたが、米食品医薬品局(FDA)はCDxの後発品を認める方針に切り替えたとされており、今後、日本の規制にも影響を与えるとみられる。

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