出血を止めるには、血管、血小板、血液凝固因子の3つの要素が不可欠である。血液凝固因子に障害がある場合、血友病(Haemophilia)と言われる。血液凝固第VIII因子の障害であれば血友病A、血液凝固第IX因子の障害であれば血友病Bである。血友病患者では、凝固因子が欠損、あるいは、凝固因子の活性が低いことで止血に時間が掛ってしまう。主な症状は関節内出血や筋肉内出血、出血の原因の多くは、打撲や四肢の使い過ぎなどといわれる。健常者なら自然に止まるわずかな出血でも、血友病患者では、大きな血腫になってしまう場合がある。関節や筋肉内の出血は、治療が不充分だと血友病性関節症などの機能障害を引き起し、さらに頭蓋内出血は生命の危機に直結する。これらの出血は、身体が完成する思春期までに多く、その間に適切な治療によって機能障害を起こしていなければ、その後は次第に出血しにくくなり、健常者と変わらない生活を送れるとされる。したがって、学校生活を送る思春期までの時期をいかに過ごすかが課題である。血友病の遺伝形式はX染色体連鎖性(伴性)であり、劣性で発症する。母親方のX染色体の第VIII因子またはIX因子の遺伝子に異常がある場合、それは、X染色体を一本しか持たない男子に受け継がれ、血友病を発症することになる。しかし、遺伝子の突然変異によって血友病を発症することもあるようで、血友病者の3割程度は、家族歴が見られない弧発例である。そのため、血友病の発症には遺伝と突然変異という2つの要因があるとされているのである。

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