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Mmの憂鬱、中分子開発の突破口となるμプロテイン

(2019.10.31 15:00)1pt
宮田満

 さて、2003年4月にヒト・ゲノム計画が完了したと発表された時に、最大の話題を呼んだのは、ヒトの遺伝子の数でした。ほとんどの研究者はそれ以前に3万以上の遺伝子(蛋白質として翻訳される遺伝子)を想定しておりましたが、ゲノム解析が進めば進むほど、遺伝子の数が減っていって、今では2万2000個前後と推定されるようになりました。ヒトのような複雑な生物を構築し、生命活動を遂行するためにはちょっと少なすぎるような気がして、違和感を持ったことを覚えています。その違和感を少し解消する発見がありました。実は遺伝子をコードしていない非転写領域と考えられていたゲノム領域からアミノ酸100前後の小さな蛋白質、マイクロプロテインが転写・翻訳されていることが明らかになってきたのです。もしこれを遺伝子と認めれば、遺伝子の数はもっと多くなるのです。2003年当時、アミノ酸100以下の転写領域(ORF)はシーケンスのノイズと区別することができないので、全て解析外としていたことこそがマイクロプロテインが最近まで見出されなかった原因でした。何のことはありません。まだまだヒト・ゲノム解析は終わっていないのです。しかも今話題の中分子開発を爆発的に推進する可能性まで秘めています。



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