【日経バイオテクONLINE Vol.3114】

Mmの憂鬱、アルツハイマー病の関連遺伝子5種、新たに発見

(2019.03.05 10:30)1pt
宮田満

 アルツハイマー病は、高齢化が進む我が国だけの脅威ではなく、同じく老齢化が進む先進国やアジアの中進国の将来への不安材料となっています。この病気は患者本人に加えて、それを介護する家族や社会への負担が極めて大きい病気です。しかも、正常な認知能力を備える個人を前提とした民主主義や経済活動を損なうことも考えると今後の社会の在り方の変革をも迫る大きな要因となります。高齢化社会先進国の私たちこそ、この病に正対し、解決の道を見いだす責務を果たすべきとすら思っております。その鍵は、患者ゲノムに存在します。今週、新たにInternational Genomic Alzheimer’s Project (IGAP)によって5種類のアルツハイマー病関連遺伝子が報告されました。すぐに癌のドライバー遺伝子のように新薬開発につながるものではありませんが、少なくともこの病気の発症メカニズムに私たちはまた一歩肉薄することができたのです。βアミロイド蓄積以外の疾患プロセスが見えてきました。


◎関連記事


日英認知症会議報告、認知症対策にP3が不可欠な理由


https://bio.nikkeibp.co.jp/atclwm/column/18/03/20/00321/?ST=wm


日英認知症会議報告、アルツハイマー病に新たな創薬標的出現


https://bio.nikkeibp.co.jp/atclwm/column/18/03/20/00320/?ST=wm


FDAが公表した早期AD新薬開発ガイダンスに見る、治験の壁


https://bio.nikkeibp.co.jp/atclwm/column/18/02/26/00313/?ST=wm


アルツハイマー病、土壇場のAβ仮説、薄弱な臨床基盤


https://bio.nikkeibp.co.jp/atclwm/column/17/03/14/00171/?ST=wm


アルツハイマー病新薬開発の夜明け


https://bio.nikkeibp.co.jp/article/news/20151005/187785/?ST=wm


βアミロイド仮説ではアルツハイマー病克服は困難? 古くて新しい新標的はこれだ


https://bio.nikkeibp.co.jp/article/news/20150810/186828/?ST=wm


次世代βアミロイド抗体、adcanumab成功に見るアルツハイマー病治療薬の難しさ


https://bio.nikkeibp.co.jp/article/news/20150629/185945/?ST=wm


アルツハイマー病の個の医療に大きな成果が誕生


https://bio.nikkeibp.co.jp/article/bc/0000/0263/?ST=wm


動脈硬化の古くて新しい治療標的、慢性炎症


https://bio.nikkeibp.co.jp/atclwm/column/19/02/07/00419/?ST=wm





 族性のアルツハイマー病を引き起こす疾患関連遺伝子としては、アルツハイマー病患者の脳に蓄積するβアミロイドやその前駆体を切断する酵素(BACE1など)遺伝子、それにやはり患者の神経変性部位に蓄積するタウ蛋白質遺伝子などが知られていました。これによって、現在、βアミロイドに対する抗体医薬やBACE1阻害薬、それに抗タウ抗体やタウ蓄積阻害薬などの治験が進んでいますが、結果は必ずしも良好ではありません。βアミロイド蓄積→タウ・リン酸化→神経変性・死⇒脳内全般への伝播というアルツハイマー病の疾患プロセスを標的とする治療薬開発は難渋を極めています。現在では神経変性が起こる前の軽症患者を対象とした治験へと全体が傾いております。治療薬というよりも予防薬を目指す戦略です。

 ここからは申し訳ありませんが有料で全文をお楽しみ願います。Mmの憂鬱Premiumサイト(https://bio.nikkeibp.co.jp/wm/ )からならお得な料金(個人カード払い限定、月間500円で読み放題)で購読いただけます。以前のバックナンバーもまとめてお読みいただけます。

※日経バイオテクONLINEの読者は、日経バイオテクONLINEのサイトから記事にアクセス願います。

ここから先は「日経バイオテク」「日経バイオテクONLINE」の
有料読者の方のみ、お読みいただけます。

ログイン 購読お申込み
  • 「日経バイオテクONLINE Mmの憂鬱Premium」への会員登録はこちら
  • 「日経バイオテクONLINE」についてはこちら

バックナンバー新着一覧

日経バイオテク お薦めの専門書籍・セミナー

  • セミナー「異常な蛋白質に対する低分子薬の2つのアプローチ」
    2019年6月7日開催!不安定な標的蛋白質の立体構造を安定化する「シャペロン薬」、ユビキチン・プロテアソーム系を利用して標的蛋白質を分解する「標的蛋白質分解誘導薬」。最新の研究開発状況と、2つのアプローチの棲み分けを解説する。
  • 「日経バイオ年鑑2019」
    この一冊で、バイオ分野すべての動向をフルカバー!製品分野別に、研究開発・事業化の最新動向を具体的に詳説します。これからのR&D戦略立案と将来展望にご活用ください

PR・告知製品・サービス一覧人材・セミナー・学会一覧