【日経バイオテクONLINE Vol.3059】

Mmの憂鬱、医療そのものを変革する集団ゲノムプロジェクト

(2018.12.04 17:00)1pt
宮田満

 韓国・ソウルで開催された2018 Bio Innovative Growth Convention、パネルディスカッションのテーマはゲノムコホートでした。私の左手には500万人の全ゲノム解読に挑む英Genomic England、そして右手には2年前から国家Precision Medicineプログラムを始めたシンガポールの代表、そして司会は現在100万人ゲノム計画を立案中の韓国の政府研究機関の所長でした。我が国は今年度末から癌ゲノム医療が始まっているとはしゃいでいますが、世界の潮流は全く違っていました。彼らは全ゲノム解析を通じて、医療そのものの近代化を目指していました。我が国の癌ゲノム医療が、レガシーの医療制度の単なる付加物として展開されているのとは雲泥の差です。厚生労働省も内閣官房も、首相から言われたから実施するという受け身ではなく、もっと大きなゲノム医療、精密医療の絵を描き、世界が21世紀の医療改革を進めている流れに乗らなくてはなりません。感染症という全国民がほぼ等しい疾患リスクと医療アクセスに重点を置いた国民皆保険下でゲノム医療を展開するのではなく、ゲノム医療で国民皆保険制度の刷新を狙わなくてはならないのです。

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