【日経バイオテクONLINE Vol.2976】

Wmの憂鬱、氷解した我が国の元祖再生医療の謎

(2018.07.31 08:00)1pt
宮田満

 我が国の再生医療の先駆けはジャパン・ティッシュ・エンジニアリング(J-TEC)が商品化した自家培養表皮「ジェイス」でありました。NIH3T3細胞を培養支持細胞として活用する米Harvard大学の技術を商業化したものです。ジェイスは2007年10月29日に、当時は法が未整備だったこともあり、それ自身は治療効果の無い医療機器として製造認可され、09年1月1日に保険収載されました。重症やけど患者の皮膚の一部を採取、体外で培養して、再びやけど患者に移植する製品です。発売当初からこのジェイスは患者の表皮再生を促すものながら、果たして培養した表皮細胞の中に幹細胞が存在し、表皮が再生するのか?大阪大学とテルモが商品化した「ハートシート」のように移植した細胞は残存せず、細胞から放出された栄養因子や成長因子が患者の血流を循環している幹細胞を集めて、心筋を再生するのか? 定かではありませんでした。9年以上もの謎が、先週金曜日開かれた第24回日本遺伝子細胞治療学会で氷解いたしました。幹細胞は存在していたのです。ジェイスは医療機器ではなく、本来なら再生医療等製品として堂々と認可を受けるべき、立派な再生医療の先駆けだったのです。

◎参考記事

日本のイノベーター、第4弾の(7)、J-TEC、再生医療の未来

https://bio.nikkeibp.co.jp/atclwm/news/17/07/26/00013/?ST=wm

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