【日経バイオテクONLINE Vol.2632】

Wmの憂鬱、第3回指定で分かった先駆け審査の正体

(2017.03.02 08:00)1pt
宮田満

 厚生労働省が一昨年から開始した日本版ブレークスルーセラピーズ制度である先駆け審査制度を、今まですっかり誤解しておりました。それとも制度が変質したのか? 今までこの制度で指定された新薬や新規医療機器は生命の危険のある重篤な疾患に対する画期的な製品で、この指定を受ければ早期の商品化は保証されたも同然と思っていましたが、2017年2月28日に発表された第3回の指定品目を見てびっくりしました。ヒトの臨床研究データ無しに霊長類だけでの画期的な薬効を認めて、指定を受けた再生医療製品があったためです。政治的な香りも漂うというような声も聞こえてきますが、よくよく考えてみると、先駆け審査指定制度は結局、他に先駆けて我が国で治験やPOC臨床研究を手掛けた画期的な製品という意味の指定で、商品化の保証も、他社に先駆けて一番に商品化できるという保証も厚労省は与えていないことに気づきました。今回の指定で決定的になりましたが、これは迅速認可の保証ではなく、厚労省と医薬品医療機器総合機構(PMDA)が面白そうだから一緒に勉強しようという指定にすぎなかったのです。今回の指定で株が上がったベンチャーもあるようですが、ぜひともここは、冷静にこの制度の本質を理解して受け止める必要があります。

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