アステラス製薬が、2015年11月10日に米Ocata Therapeutics社を467億円で買収、同社がES細胞から分化誘導した他家網膜色素上皮細胞(RPE)MA09-hRPEを、ドライ型加齢黄斑変性(AMD)の治療薬として開発することを発表しました。同社がES細胞から分化誘導した視細胞など多様な細胞群(分化法の特許も)とそのGMP生産能力(品質規格やその管理法も)、加えて米国での眼科医のネットワークなど、眼科領域をアンメット・ニーズと考えるアステラスにとってはよだれが出るほどの資源と、再生医療の本格的な製品をたった500億円以下で手にいれることができたのですから、とても良い投資です。しかも手作りの自家細胞と比べて、大量工場生産が可能な他家細胞を使った再生医療は新薬のビジネスモデルをほぼそのまま適用できます。また、すでに2011年から米国で臨床治験を始めており、Stargardt病やAMDでフェーズII臨床試験に入っています。アステラスは同社の経験、商品、知財、そして時間を買ったのです。ES細胞由来のRPEを臨床開発中の米Pfizer社とiPS細胞由来のRPEを現在製造中の大日本住友製薬・ヘリオスを軽々と追い抜いた格好です。11日に開催された文科省ライフサイエンス委員会第21回幹細胞・再生医療戦略作業部会では、iPS細胞由来のドーパミン生産細胞移植を医師主導の臨床治験として行うことが決まり、実施予定が1年遅れることになりました。その他の領域でも臨床治験を行うのは、数年遅れる計画となりました。臨床応用が迫れば迫るほど、iPS細胞の実用化は一見逃げ水のように遅れる可能性も出てきました。  

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