若手研究者の肖像(第30回)

東京大学大学院薬学系研究科 薬品作用学教室 小山隆太 准教授

熱性痙攣とてんかんの関係を解明、“人たらし”でコラボレーションを進める
(2017.10.09 00:33)1pt
2017年10月09日号
山崎大作

 幼児や小児の発熱中に起こる熱性痙攣のうち、複雑型のものの経験者は、将来側頭葉てんかんを発症する可能性が高まることが臨床上知られてきた。東京大学薬学系研究科薬品作用学教室の小山隆太准教授は、ラットを用いて、熱性痙攣が脳内の海馬の顆粒細胞の移動をかく乱し、顆粒細胞を不適切な場所に散在させることが将来のてんかん発症につながることを発見。その原因が神経伝達物質であるGABAによる神経興奮性作用と、この作用を担うNKCC1共輸送体にあることを突き止めて、2012年にNature Medicine誌に掲載された。NKCC1共輸送体を阻害するブメタニドが治療薬となる可能性のあることも指摘。脳にどのように医薬品を到達させるかという問題は残るものの、欧米で開発も進む。「てんかんが起こるのを早期に止める。それができるのは生物学者や、薬学者。自己満足な研究ではなく、困っている人を助ける研究を行いたい」と小山は話す。

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