【日経バイオテクONLINE Vol.2864】

アカデミアの創薬シーズに感じた夢と問題点

(2018.02.16 08:00)
山崎大作

 おはようございます。日経バイオテクの山崎です。

 2018年2月13日、大阪府などが開催する創薬シーズ事業化コンペティションに参加してきました。これは、関西を中心とした大学から発掘された、事業化を目指す8つのシーズについて研究者がプレゼンテーションを行うというもの。全国からバイオを手掛ける著名な12のベンチャーキャピタル(VC)から投資家も参加し、これら8つのプレゼンテーションに点数を付けて、最終的に最優秀賞、優秀賞を表彰しました。

 各プレゼン内容については改めて記事化しますが、正直なところ、どの技術も「こんな話があったのか」と驚かされるものばかりで、終了後にVCの方々と話していても、「まだまだいろいろといいシーズが残っているねぇ」との言葉が自然と出てくるほど。大阪商工会議所が運営する創薬シーズ・基板技術アライアンスネットワーク(DSANJ)など、大阪を中心に創薬シーズを掘り起こしてきたことは着実に実を結んでいるようです。

 一方で、全く不満が残らなかったわけでもありません。参加したVCや製薬企業の方からは、「もっと技術について聞きたかった」との声が。研究者の方々のプレゼンテーションでは、事業化についても言及があったのですが、ビジネスモデルに不満が残るものが多かったようです。私自身も、日頃、製薬幹部の方とお話する際に「◎◎の部分は製薬企業で行った方が早いし、どうせこちらでやることになるのに」と愚痴とも付かず伺ったことのある部分が、今回のプレゼンテーションで示されていることを見、「ああ、これか」と感じたのも事実です。

 基礎研究をいかに実用化に結び付けるかについて、繰り返し議論が進められていますが、今、本当に求められているのは、全ての研究者に実用化の研究を求めるのではなく(ご自身でベンチャーを立ち上げることにこだわりを持っておられる方は別ですが)、ビジネスに結びつけるところに対してはその専門家がアクセスし、両者で適正に利益を配分できるようにする文化作りだということを改めて感じた1日でした。

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