【日経バイオテクONLINE Vol.2792】

他の業界との協業を進めていくために

(2017.10.27 08:00)
山崎大作

 日経バイオテク副編集長の山崎です。

 少し前に人工知能(AI)を用いた創薬に関する記事をまとめました。

リポート
創薬で用いられ始めた人工知能
https://bio.nikkeibp.co.jp/atcl/report/16/082400017/100500018/

 取材をしていると、創薬にかかるコストが上がり続ける中で、AIを用いることでそれに歯止めをかけられるのではないかという製薬企業側の思いを強く感じますし、デジタルヘルスやAIに関するセミナーに参加すると、製薬企業からの参加者、しかも以前と比較してスーツをきちんと着た人が増えているように思えます。製薬企業とIT企業との連携が今後進んでいくことは間違いなさそうです。

 一方で、リポートでも少し触れましたが、IT企業やAIの研究者からは、「製薬企業が何をしたいのかが分からない」という言葉が聞かれることも少なくありません。AIがバズワードのように広まる中で、なんとなくそれらの企業や研究者にアポを取り、しかも「現時点では予算もありません」と言われることもある、との半ば諦めにも似たような愚痴も複数耳にしました。また、製薬企業とIT企業とのマッチングの場として、製薬企業、IT企業の双方が期待を寄せるライフ インテリジェンス コンソーシアム(LINC)についても、「現在の仕組みでは、製薬企業が開発物の権利を持つため、IT企業側は旨みが無いのではないか」との声も聞こえてきます。

 今後、AIを用いた創薬やデジタルヘルスをより製薬企業が活用できるようにするためには、製薬企業とIT企業のどちらか一方だけが儲けるようにするのではなく、関わる全てのステークホルダーが幸せになれるような関係作りを常に意識していく必要があるのではないでしょうか。

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