【日経バイオテクONLINE Vol.2787】

ボストンのエコシステムは“庭園”だった

(2017.10.20 08:00)
久保田文

 おはようございます。日経バイオテク副編集長の久保田です。核酸医薬の研究開発セミナー、もうお申込みいただきましたでしょうか。当日は、200人近い業界の方々にご参加いただく予定です。講演内容はもちろん、核酸医薬へ高まる一方の国内の熱気も、合わせてお届けすることをお約束します。残席もあまり多くはないのですが、ご興味のある方はぜひこちらから、お申し込みください。

 ▼▼本誌主催プロフェッショナルセミナー▼▼
「加速する核酸医薬の研究開発―創薬の実際―」
 日時:2017年11月2日(木) 13:00~18:00
 会場:東京・秋葉原コンベンションホール
 協賛:サイエックス
http://nkbp.jp/2yb6cLM
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 さて昨日は、武田薬品工業の湘南研究所で開催された「MIT Startup Exchange Showcase Japan」に取材に行ってきました。武田薬品、米Massachusetts Institute of Technology(MIT)、東京大学の共催で開催された産学連携についてのカンファレンスで、国内のバイオ・ライフサイエンス業界の方々に向け、武田薬品やMIT、東京大から誕生したベンチャー企業などが事業内容を紹介するなどしました。

 MITからは、同大学の産業リエゾンプログラム(Industrial Liaison Program:ILP)の方々が複数参加されていました。私もよく存じ上げなかったのですが、ILPはMITと企業との橋渡しを仲介する大学の部署。ITからロボティクス、ライフサイエンスまで、あらゆる分野で仲介をしているということで、立ち話の際、仲介を手掛ける案件のうち、ライフサイエンスが占める割合がどの程度か聞いてみました。

 ところが、「企業数でいえばライフサイエンス企業は20%程度だけど…」と説明いただいた上で、「今や自動車会社が運転中に運転者の健康状態(飲酒していないか、目線の動きがおかしくないか)をチェックするため、ライフサイエンスの研究成果に興味を持っていたりするので、明確に線引きできない」とのこと。確かに、そうですね。質問が間違っていました(反省)。

 ただ、MITの産学連携の方々とお話していて思ったのは、昨今話題になることの多いボストンのエコシステム(生態系)というのが、環境(生物)が勝手に遷移して偶然出来上がった“国立公園”のような自然はなく、どちらかといえば、関係者がいろんな仕掛けを作って出来上がっている、“庭園”のような存在なのだということです。

 実際、ボストンの庭園造りには、MITを含めた地元の大学、地元政府、産業界が参加して、相当な資金もつぎ込まれて(リターンもありますが)、時間もかけられているというわけです。考えてみれば当たり前のことですが、どうも“米国の成功例”を見ると、私たちは向こうは特別なのかと思ってしまいがちです。誰より先に手を付けるというのはポイントでしょうが、結局、洋の東西を問わず、成功のためには正攻法しかないのだな、と改めて感じました。

 正攻法という意味では、私が編集を担当している米Gallasus社の橋本千香さんの連載「日本と米国のビジネス戦略考」で紹介している米国の事例もまさに同じ。いつの時代も、特別なんてありません。千香さんの先月の記事をお読みいただくと、それが身に染みてお分かりいただけると思います。では今日は、この辺で。

日本と米国のビジネス戦略考
米国バイオベンチャーの“肝”はユニークな組織作り
https://bio.nikkeibp.co.jp/atcl/column/16/071100006/092700020/

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