【日経バイオテクONLINE Vol.2773】

イノベーションにも無関係ではない今回の衆議院選挙

(2017.09.29 08:00)
久保田文

 おはようございます。日経バイオテク副編集長の久保田です。本題に入る前に、本日は、11月2日に開催される弊誌主催の核酸医薬のセミナーのご紹介からです。日経バイオテクでは11月2日(木)13時から秋葉原にて、「加速する核酸医薬の研究開発―創薬の実際―」を開催します。

 セミナーのテーマは、タイトルにもあるように“実際”です。詳細は、下記のウェブサイトをご覧いただければと思いますが、今回のセミナーに当たっては、核酸医薬について、有効性、安全性等の観点からどういったスクリーニングを行っているのかなど、実際に創薬経験をお持ちのアカデミア、製薬企業の専門家の皆様から、実践的なご講演をいただく予定です。

 少し先の開催ではありますが、既にお申し込みも増えつつありますので、ぜひ、早めにお席を確保ください。皆様にお会いできるのを楽しみにしています。

 =日経バイオテク プロフェッショナルセミナー= 
 【加速する核酸医薬の研究開発―創薬の実際―】
 日時:2017年11月2日(木) 13:00~18:00
 会場:東京・秋葉原コンベンションホール
 協賛:サイエックス
 http://nkbp.jp/2yb6cLM
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 さて、日本の国内は選挙一色ですが、国内のバイオ・ヘルスケア業界にとっても、今回の選挙は無関係ではありません。ただでさえ厳しい、イノベーションを取り巻く環境が、ますます厳しさを増す可能性があるからです。

 2017年9月25日、経済財政諮問会議(議長:安倍晋三首相)が開催され、2019年10月に予定されている消費税の増税分、5兆円強のうち、2兆円弱を幼児教育や低所得世帯の高等教育の無償化などに投じる方針が示されました。当初、増税で得られる5兆円強のうち、約1兆円は社会保障の充実に、残りの約4兆円は国債償還など財政健全化に充てる予定でしたが、後者のうち、2兆円弱を「人づくり革命」というスローガンの下、教育へ充当する方針です。

 こう聞くと、社会保障の充実は予定通り行われるようですが、約1兆円のうち、医療・介護に回る分が当初の予定通り確保されるかについては、不透明な部分があるのも事実。その上、同会議では増税分の使途変更で後回しになる財政健全化への取り組みも緩めるべきではないということで、「2018年度の診療報酬・介護報酬の同時改定時の薬価の抜本改革の具体化」を始めとする社会保障の効率化を図るべきだと注文しました。

 加えて、政府が既に決定している、2016年度から2018年度の3年間の社会保障関係費の自然増を1兆5000億円に抑える(1年間5000億円に抑える)という目安について今後も、「5000億円の目安は最低限順守し、さらにより一層の効率化を推進すべき」と指摘しました。これらの状況を鑑みると、イノベーションの成果である「薬価」が社会保障費という「コスト(負担)」にカウントされている限り、2019年度以降も、国内でイノベーションを取り巻く状況が好転することはなさそうです。

 しかし、日本のヘルスケア産業(日本市場のために医薬品・医療機器・再生医療等製品を研究開発している産業)は、新薬を生み出せる場として、また、人々が働く場として産業界の一翼を担っています。人づくり革命の結果、手厚い教育を受けても、ヘルスケア産業には働く場がなくなってしまったということでは、元も子もありません。

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