新春展望2018

新規バイオマーカー探索が続々

(2018.01.04 08:00)
高橋厚妃

 血液や癌組織、糞便、唾液――。これらの検体を解析し、バイオマーカーや診断に利用しようと試みる研究開発が取り組まれています。2017年は、精液と毛髪という、それ以外の新たな検体を解析して事業化を目指す取り組みが開始されました。また、子宮内の菌叢を解析し、体外受精後の生児獲得率との関係性を調べるというベンチャーのVarinos(東京・品川、桜庭喜行代表取締役CEO)も設立されました。

ダンテ、精液成分を解析し妊娠のしやすさなどとの関連解明へ
https://bio.nikkeibp.co.jp/atcl/news/p1/17/10/12/03340/

理研と16企業など、毛髪の含有成分などを解析するコンソーシアム設立
https://bio.nikkeibp.co.jp/atcl/news/p1/17/12/28/03695/

ゲノム医療の実用化目指し、元イルミナ社員がベンチャーのVarinosを起業
https://bio.nikkeibp.co.jp/atcl/news/p1/17/07/28/03023/

 精液を解析するのは、バイオベンチャーのダンテ(東京・港、瀧本陽介社長)。毛髪を解析しようとしているのは、理化学研究所とオーガンテクノロジーズ(東京・港、杉村泰宏社長)、ヤフー、アデランスなどから成る「毛髪診断コンソーシアム」です。

 Varinosは、子宮内の菌叢が、ラクトバチルス属が9割以上の人では9割未満の人に比べて体外受精に成功する確率が高いという論文報告を基に事業を開始しました。次世代シーケンサーによる解析技術も既に確立しています。一方で精液や毛髪については、解析技術の確立や解析結果の解釈を行う必要があり、研究の初期段階。今後大規模な検体を利用して研究開発を行うそうです。

 大規模な解析を行うとなると、多額の資金が必要です。精液と毛髪の2つの事業はそれぞれ、クラウドファンディングや、異業種含む多数の企業から成るコンソーシアムを構築するという手段をベースにして資金を集めることで研究開発を行います。何かを始めないと成果は絶対に出てこないため、新しい科学的な検証が始まるのは個人的には応援したいと思っています。

 これらのデータからどのようなことが科学的に分かるようになるのか、今後の研究成果を待ちたいと思います。一方で、研究が進んできた、血液や癌組織、糞便、唾液などの解析による成果を2018年に取材できることを今から楽しみにしています。

 日経バイオテクの取材活動やセミナー、発刊する書籍が、読者の皆様の新しい事業や研究のアイディアに少しでもつながるように、日々邁進していきたいと思います。2018年もどうぞよろしくお願い致します。

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