新春展望2018

水平協業による独創的な製品で医療に貢献

(2018.01.02 08:00)
周藤俊樹=大塚製薬取締役・研究部門担当

 2017年は細胞・遺伝子治療、デジタルヘルスといった先端医療分野において革新的製品が承認され、新しい医療の幕開けが期待される年となりました。弊社は、中枢神経領域、がん領域、腎循環器領域を中心に、アンメットメディカルニーズが高い疾患や、今まで十分な治療法が確立していない重篤な希少疾患の治療法の提供に集中し、医薬品の開発を推進しています。その中で弊社はパートナー企業を尊重し切磋琢磨して研究開発を進める水平協業を大切にしてきましたが、2017年はその成果が出てまいりました。

 弊社はNECと脳梗塞再発抑制薬プレタールの飲み忘れを防ぐ服薬支援容器の共同開発に取り組んできましたが、2017年に世界初のIoTを活用した服薬支援システムとして「プレタールアシスト」の日本での承認を取得することができました。米Proteus Digital Health社との協業によるアリピプラゾール錠剤に摂取可能な極小センサーを組み込んだ世界初のデジタルメディスン「Abilify MyCite」が米国FDAから承認されました。弊社は中枢神経領域を中心にデジタルヘルス領域で医療の向上に貢献してまいります。

 2013年に買収したFragment Based Drug Discoveryのリーディングカンパニーである英Astex Therapeutics社においてはスイスNovartis社との共同研究による進行性乳癌治療薬「Kisqali」が米国、欧州で承認されました。2017年ノーベル化学賞を受賞されました英MRCのリチャード・ヘンダーソン先生とAstex社などにより2015年に創設しましたCryo-EM創薬コンソーシアムではCryo-EMの創薬研究での実用化に向けての活動が進んでいます。独創的な低分子創薬で実績のある大塚製薬の研究所とAstex社との協業により互いの強みを生かした低分子創薬をさらに発展させてまいります。

 2017年はタカラバイオと腫瘍溶解性ウイルスの共同研究開発が開始され、両社での遺伝子治療領域における協業の進展が期待されます。再生医療領域においては、間葉系幹細胞を用いた研究開発に取り組まれているツーセル、iPS細胞由来血小板の事業化を目指しているメガカリオンと資本提携し、両社の事業に貢献したいと思います。

 弊社では発生学を創薬研究に応用するため理化学研究所多細胞システム形成研究センター(CDB)と連携センターを設立し、また免疫学領域における創薬研究を促進するために大阪大学免疫学フロンティア研究センター(IFReC)との包括連携を開始しました。世界トップクラスの日本のアカデミアの基礎研究を創薬に生かすべく弊社の研究者とともに創薬に邁進いたしております。

 2018年はパートナー企業、アカデミアとの水平協業を大切に、自社の独創的な創薬研究との融合により、革新的な製品を開発し世界の医療に貢献してまいります。

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