厚労省と文科省が合同で取り組んでいる疫学指針と臨床研究の倫理指針の改定作業も、年度末を控えいよいよ大詰めとなってまいりました。今まで、疫学研究と臨床研究の二つの指針が存在しておりましたが、研究現場ではどこまでが疫学で、どこまでが臨床研究なのか? 本当に区別に困り果てる、どちらの指針の適合性を審査すれば良いのか? それとも二つの指針をクリアしなくてはならないのか? まったく良く判らず、現場では大混乱が生じておりました。明快にして研究の進展と被験者保護のバランスを取るというガイドラインの本来の趣旨はどこへやら、かえって指針があるために現場が戸惑うという状況がありました。そこで、この状況を打開すべく、文科省と厚労省が手に手をとって臨んだのが、指針の一本化であります。名前もまだ最終決定ではありませんが、「人を対象とした医学研究」に関する倫理指針です。何しろ、厚労省と文科省にそれぞれ設置されていた疫学研究の倫理指針の委員会と厚労省の臨床研究の倫理指針委員会が合同部会を開催、議論するのですから、それはもうまとめるためには壮絶な努力が強いられます。まるで、芸能人の披露宴のような広大な委員会で、昨日、一番論議となったのは“侵襲”という言葉の意味とその取り扱いでした。同じ医学をやっていても、外科医と疫学者ではまったくニュアンスが異なる。まして、法学者や倫理学者、そして声だけ大きなジャーナリストが入り乱れ、組んずほぐれつの議論を、昨日は午後零時より4時間も延々と繰り広げたのです。

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