皆さん、お元気ですか。

 東京両国の東京ファッションタウンという展示会場におります。現在、理化学研究所の「研究論文の疑義に関する調査報告書」の最終報告に関する記者会見が丁度終わったところです。

 結論は理化学研究所発生・再生科学総合研究センター(CDB)の小保方晴子ユニットリーダーはNature2014年1月30日号に投稿した2つの論文に関して、TCRの電気泳動の画像改竄と博士論文から画像流用による捏造があり、この2つの点について研究不正行為があったと断じました。またこの2つの論文の主要な共同研究者である山梨大学の若山照彦教授と理化学研究所CDBの笹井芳樹副センター長は、研究不正行為はなかったが、データの正当性と正確性などに関して自ら確認することなく論文投稿しており、責任は重大であると認定しました。CDBの丹羽仁史プロジェクト・リーダーは論文作成の遅い段階で研究に参加し、不正行為は認められないと認定しました。

 しかし、今回の調査はミスコンダクトだが不正でないと苦しい弁明の箇所もあり、今後、わが国で全然関係ない研究手法のMaterial& Methodのコピペを許すようなモラルハザードすら引き起こす可能性すらあります。また不正を故意と読み替えて、当初、不正という言葉で悪意をにおわせていた調査をソフトに変えるなど、研究調査委員会の姿勢もぐらぐらしております。やはり研究不正を正しく裁くためには、一研究機関では理研と言えども、困難なのだと実感しました。

 理研がこの発表を前年度内でなく、エイプリル・フールに行ったことも含蓄深い。

 会見全体のトーンはシニア研究者の責任追及が甘いと感じましたが、今回の調査委員会理化学研究所石井俊輔委員長が「Natureの論文全体の不正行為の調査ではなく、予め設定した6つの課題に限定した調査」と自ら限界を明らかにしており、加えて調査期間も限定されており、さらに会見では否定しましたが、文科省からも早く結論を出せという圧力もあったはずで、もともと不正を立証するには力不足な委員会でありますが、まことに中途半端で社会の期待とはかけ離れた残尿感のある報告となりました。

 後世の科学史家は、とかげのシッポ切りというかもしれません。丁度、文部科学省の記者クラブに、小保方ユニットリーダーの代理人から、「研究不正と認定したことは是認できず、不服申し立てする」という趣旨のメールが届きました。まだまだ、この問題は続きそうです。

 午後に理化学研究所の幹部の記者会見が予定されています。続報を期待願います。 関連記事は下記のサイトより、月間100本まで500円で読み放題です。
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            日経バイオテクONLINE Webmaster 宮田 満

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