我が国の医薬品医療機器総合機構と厚労省の新薬審査能力が欧州医薬品庁を追い越し、米国に迫るまで向上したことは、以前のメールでお伝えしました。米国で2013年に始まった超加速審査制度、Break Through Therapyも、我が国では抗PD-1抗体で6カ月の審査完了を実現しました。こうなると最大の問題は臨床試験など臨床研究の質の問題です。かつて降圧剤「ディオバン」のデータ捏造事件で、厚労省が刑事告発したのはノバルティスという製薬企業の社員だけでした。現在の薬事法の誇大宣伝の規定違反の告発です。が、臨床研究に関する疑惑に対して、法的な調査権限を厚労省ですら持っていないというのが、我が国の異常な現状です。こんな状況では、患者さんの善意を活かし、質の高い臨床研究を実現することは到底不可能。日本医学会などが、臨床研究が減ると反対していますが、質の低い臨床研究が減るのは、異常に多忙な勤務体系にある医師にとってもかえって幸いであると思います。医師法によって異常に肥大化した医師の裁量権をそろそろ医師が手放さないと、過密労働で倒れるのは医師であることを認識すべきです。2014年10月22日に開催された厚生労働省の臨床研究に係わる制度のあり方研究会で、厚労省が臨床研究に関する法規制整備の方向性を打ち出したことは、医師にとっても福音です。これから揺り戻しがあるでしょうが、厚労省は歯を食いしばって、国民と心ある医師のために頑張っていただきたい。

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