アビガン5月適応拡大認可を可能にする2つの頓知話

 さて好評をいただいている日本のイノベーター第3弾の完結編(7)は、緊急使用認可の直前という微妙なタイミングなので、今週はお届けできません。2020年5月4日、安倍首相が「アビガン」(ファビピラビル)の緊急認可を今月内に行うと宣言したため、承認後に取材してまとめます。今しばらくお待ち願います。しかし、日米で富士フイルム富山化学が展開しているアビガンの第3相臨床試験は6月にまとめられる予定でした。今回、安倍首相が自信満々に緊急認可を表明した根拠となる規制緩和(施行規則の読み替え)は、2020年5月12日に出された厚生労働省の通知にありました。現在の薬機法とその施行規則の解釈を明確にするだけで、なんと治験データなしに、医薬品の適応拡大が我が国はできるのです。まったく目から鱗が落ちました。しかし、どう考えても法治国家じゃないように思える疑問は膨らみます。まあ、やればやれるではないですか? 政治に押し出されたような恰好で、規制緩和の前例ができました。診断薬や医療機器、そして流行の第2波に対する備えの要であるワクチンにも、今回の前例が適用されるようですが、私はワクチンだけは危ないと考えています。新型コロナウイルスに対する中和抗体の出方は個人差があり、大規模な治験のデータはどうしても必要ではないでしょうか? この判断を誤ると将来に禍根を残すと懸念しています。米Moderna社の新型コロナウイルスに対するワクチン、mRNA-1273の第1相臨床試験が好成績であったことが、2020年5月18日に発表されました。国産のDNAワクチン早期認可の誘惑に我が国の政府がかられることは必定です。支持率目当ての政治判断ではなく、科学で判断しないと、禍根を残すことをけっして忘れないでいただきたい。

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