【日経バイオテクONLINE Vol.3143】

Mmの憂鬱、デジタルセラピューティックスは製薬企業の敵か味方か?

(2019.04.16 08:00)1pt
宮田満

 一部の遺伝的背景がある場合を除き、生活習慣病(喫煙者の肺癌とピロリ菌感染による胃癌など予防可能な癌も含む)は薬で治すのは邪道であると、心から思っています。むしろ、患者やリスクのある生活習慣にさらされている人の気づきと行動変容によって、糖尿病や高血圧、肺癌などの生活習慣病の症状を緩和したり、予防したりすることこそが王道であると考えています。今ではブロックバスターという砂上の楼閣のような市場は消え失せて、創薬の主力が標的遺伝子変異や活性不全などを対象とした根本治療に向かっていることは慶賀すべきことです。生活習慣病のブロックバスターは、自立的な行動変容を退け、自らの健康に責任も持たない堕落を人間にもたらし、医療費破たんの導火線に着火したというのは言い過ぎでしょうか?少なくとも、正しい知識と行動変容を導く何らかの手段が、健康に責任を自ら負う21世紀の市民を育むと願っておりました。そして、それを実現する手段、デジタル・セラピューティックス(DTx)がとうとう登場しようとしています。米国ではこの分野の投資が急増しています。今月開催されたベンチャー企業のピッチにブロックバスター東京と名付けられていることを見て、愕然としましたが、もうこんな時代ではありません。最新のDTx の動向をお伝えします。


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