【日経バイオテクONLINE Vol.3056】

Mmの憂鬱、侮れない研究水準、パンドラの箱を開けた受精卵ゲノム編集

(2018.11.29 11:00)1pt
宮田満

 いつかは来ると思っていました。人類は、できることをしないことに我慢できない生物なのかもしれません。医学では治療という美名の下で、新技術の限りない応用が許容される素地もあるのです。ゲノム編集技術によってHIV-1耐性となった双子(LuluとNana)が、HIV-1に感染していた父親と非感染の母親から正常に生まれたと、2018年11月27日、中国南方科技大学(広東省深セン市)の賀建奎副教授がYouTubeで発表しました。この4つのビデオを見ると、賀副教授とその研究室は大学には内緒にして研究を進めてきましたが、明らかに確信犯として覚悟を定めた研究発表でした。そしてその翌日、香港で開催された第2回International Summit on Human Genome Editingで、詳細を発表しました。マスメディアでは袋だたき状態ですが、賀副教授の発表は発表が真実とするならば、科学的には全く妥当なものでした。社会の合意形成(生命倫理やガイドライン)が科学の進歩に追い付いていない現状は大きな社会の分断と混乱を生む可能性があります。受精卵のゲノム編集技術が、かつて社会のひんしゅくを買った体外受精“試験管ベビー”が今ではすっかり定着した医療技術となった轍(わだち)をたどるのか? 人類の改良や育種というおぞましい状況を生み、民主社会の脅威を生むのか? パンドラの箱を開けてしまった今、私たちは治療と改良(デザイナーベビー)を峻別(しゅんべつ)するルールの設定のため、国民的議論を進めなくてはなりません。

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