【日経バイオテクONLINE Vol.2664】

Wmの憂鬱、抗体医薬の標的枯渇を解決する抗体誘導体、実用化目前に

(2017.04.18 08:00)1pt
宮田満

 隆盛を誇る抗体医薬。75種類以上の抗体医薬が、今まで地球上で販売されてきました(バイオシミラーを除く)。現在もなお、数百件の抗体医薬(疾患ごとに件数カウント)の治験が進んでおり、数年以内に100種の抗体医薬の商品化も夢ではありません。しかし、その裏には標的となる抗原の枯渇という大問題が控えていることを忘れてはなりません。治験と販売中の抗体医薬の標的はわずか三十数個程度にすぎないのです。こうした限界を打破するものが、抗体の誘導体技術であります。その先陣を切るエミシズマブ(ACE910)の2番目のフェーズIIIの中間解析が、4月17日にこれを開発した中外製薬から発表されました。4本走っているフェーズIII治験のうち今まで公表された結果は全て、非投与群に対して有効性を示しました。既に、米国ではブレークスルーセラピーズ(特別加速審査)に指定されており、順調にいけば、早ければ年内にも、抗体医薬の抗原の枯渇という壁を打破した抗体誘導体の製造承認申請が行われる見込みです。抗体医薬に技術突破が、まさに起ころうとしているのです。

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