日経バイオテク8月29日号「リポート」

抗癌剤の臨床試験は変わるか

癌のクリニカルシーケンスで加速、アンブレラ試験、バスケット試験の拡大
(2016.08.29 00:32)1pt
2016年08月29日号
小崎丈太郎

 この夏、米大リーグ通算3000本安打に迫るイチロー選手を、太平洋を超えてひそかにライバル視していた癌専門医が日本にいる。国立がん研究センター東病院の呼吸器内科の後藤功一科長だ。後藤科長が2013年1月に立ち上げた肺癌のドライバー遺伝子の全国多施設スクリーニング事業LC-SCRUM-Japan(Lung Cancer Genomic Screening Project for Individualized Medicine in Japan、現SCRUM-Japan)の累積症例数が同年2月の登録開始以来、3000例に近づいていたためだ。結果的にイチローの3000本安打よりも1週間ほど早く3000症例を達成することができた。「登録を開始した当初は全国の医師たちが、協力してくれるかどうか不安だったが、日本人の誠実さを背景に何とかここまで来ることができた」と同科長は語る。

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