新年あけましておめでとうございます。資生堂は中・長期計画戦略としてVISION2020を掲げ、経営課題の柱の一つとして、R&D投資の強化・拡大することを明言しています。その一環として、再生医療事業領域への参入を表明し、まず、多くの患者様のQOL向上に繋がるターゲットとして、毛髪再生医療への取り組みをアナウンスしてまいりました。

 2013年に毛髪再生技術を得意とするカナダのベンチャー企業であるレプリセル社とのライセンス・共同研究契約を締結し、2014年には神戸の医療産業特区に臨床研究用の細胞培養加工施設(CPC施設)、Shiseido Cell Processing & Expansion Center; “SPEC®"を開設しました。現在、脱毛治療に実績のある大学病院等、医療機関と共に、毛包誘導のポテンシャルが高いと考えられている毛球部毛根鞘細胞(DSC細胞)の培養細胞を用いた、自家移植による細胞治療の準備を進めており、今年中には有効性を確認する臨床研究が開始されることを期待しています。私共は医療機関から依頼を受けて、責任を持って細胞(特定細胞加工物)を加工培養し提供する役割を期待されており、既に昨年6月にCPC施設の施設許可を厚生局より得ました。

 いうまでもなく、我々企業が細胞加工に関与できるのは、2014年11月に施行された再生医療等安全性等確保法の後押しによるところが大きく、本法制定に向け奔走された経産省、厚労省始めとする関係省庁はじめ、関係機関から、私共の臨床研究への期待の高さをひしひしと感じています。一方で、新しい制度の枠組みで準備を進める上で、前例のない中での判断が必要とされ、理解と精通の度合いの違いにより、様々な障害に遭遇したのも事実です。

 昨年は、欧米諸外国が、日本の再生医療関連法案の斬新さに気付き始めた年でもあります。海外の民間ベンチャーの日本市場進出のスピードはあっという間です。グローバル・トップの地位を日本が牽引し、真に再生医療を我国がリードするには、単に、オールジャパンや日本発、日本初、などの掛け声に踊ることなく、貪欲に、広くアライアンスを国内外の隔てなく中小企業・ベンチャーも含めて求めるなど、意識改革が必要な時が来ているのではないでしょうか。当社も自家細胞移植の分野で大きな一歩を踏み出す、意義ある年にすべく邁進していく所存です。一層のご支援をお願いいたします。