一昨年11月の再生医療新法の施行により、特定細胞加工物製造の外部委託が可能になった。新法では、再生医療等のリスクに応じて第1種から第3種に分類し、必要な手続きを規定している。例えば、iPS細胞、がん免疫療法に供する自己リンパ球、口腔内投与に併用する多血小板血漿など、様々な細胞および投与リスクが存在しており、製品化に向けて、品質や安全性に関する合理的な基準を定める時期に来ているといえよう。

 また、使い古された表現ではあるが、日本は、法制度、研究レベルを含めて世界トップクラスであるにもかかわらず、実用化(旧薬事法・薬機法における製造販売承認取得)に至ったのは4製品のみであり、国際的に流通できる製品化までの道のりは険しいのが現状である。この課題に対する方策の一つに、ISO規格など国際的に認知・オーソライズされた適切な指標を定めていく地道な活動が有望であろう。再生医療等製品やそれらの製造プロセスに関する開発ならびに審査の円滑化、さらには国際的な競争力を推進するためにも、ISO規格などの適正な基準策定への期待は大きい。

 現在、ISO規格と密接に連携したAMEDガイドライン策定事業が進められており、これまでに、ヒト細胞培養加工装置(自動化を含む)、無菌接続インターフェース、細胞・組織の搬送、チェンジオーバーなどの指針が整備されつつあり、実際、ISO/TC 198(ヘルスケア製品の滅菌)/WG 9(無菌操作)では、日本がプロジェクトリーダーとしてアイソレータシステム規格の改訂作業を主導している。また、ISO/TC 150(外科用インプラント)/SC 7(再生医療製品)では、日本が国際幹事業務を執っており、まさに我が国が、再生医療関連の国際規格策定のイニシアチブを発揮できる環境にある。

 これらの優位性を活用し、アンメットニーズの根治療法として期待される再生医療等製品について、疾患、患者ならびに治療技術の具体的ターゲットを熟慮した上で、研究段階から実用化までを一貫して考える時期に来ていると感じている。新年は、「再生医療実用化」、「ワールドワイドな競争力」、「国際標準化戦略」の3つのキーワードを胸に、持続可能な再生医療社会の実現に努めていきたい。