国際アグリバイオ事業団 アグリバイオ最新情報【2016年4月】

(2016.05.12 17:30)

(編集部注)この記事は、国際アグリバイオ事業団(ISAAA)によるアグリバイオ最新情報【2016年4月】の日本語訳を掲載したものです。

世界

FAO事務局長、持続可能な開発課題に見合う新たなやり方が必要と提起

 国際連合食糧農業機関(FAO)の事務局長であるJose Graziano da Silva氏は、旧来の殻を破り、17の持続可能な開発目標(SDGs)を具現化しようとする今日の開発課題に取り組むには、より創造的なやり方をとる必要があると政府省庁や国際機関に呼び掛けた。

 ブリュッセルでの農業の未来のためのフォーラムでの講演で、FAO事務局長は、SDGsは相互に関連していることを改めて表明し、共通の目標を達成し、最も求められている公共のためのものを生産するための新たな政策、プログラム、パートナーシップと資源投入の新しい組み合わせを呼びかけている。彼はまた、広範な道具立てや目標への指向法を強調した。これには、農業環境学、バイオテクノロジーが、飢餓を根絶やあらゆるタイプの栄養失調と戦い、持続可能な農業を実現するために必要であることを強調した。これらの道具立ては、家族の要望に応えるものであり、その家族の力が持続可能な開発の中心になるだけでなく、農村部に住んでいる極端な貧困層や栄養不足人口の80%支えることになる。

 「新製品、技術、プロセス、友好的ビジネスモデルのために投資し、創造することが、人々を支え、その活力を回復させ、持続可能な方法でより多くを生産することを可能にする」と事務局長は、語った。

北京で遺伝子組換え作物に関するISAAA年次報告書2015年を発表

 国際アグリバイオ事業団(ISAAA)の創設者兼名誉理事長Clive James博士著「バイテク/遺伝子組換え(GM)作物の世界的商業栽培20周年(1996年から2015年)と2015年のハイライト」と題するISAAA年次報告書(51)が2016年4月13日に北京での記者会見で公表された。報告書は遺伝子組換え作物の20年の実績と2015年のハイライトをまとめたものでISAAA理事会理事長Paul S. Teng博士が報告した。

 2015年の世界での作付面積は、28カ国で1.797億ヘクタールだった。これは、2014年の、1.815億ヘクタールから1%(180万ヘクタール)の減少となった。報告書では、わずかな減少は、日用品であるダイズ、トウモロコシ、ワタ、ナタネの価格の下落によることを強調し、価格が改善されると回復すると述べた。今後の見通しでは、開発の途上にあるものまた新たな遺伝子組換え作物と新しい特性や製品の開発を生み出す新育種技術によるものの参入などで遺伝子組換え作物作付面積の拡大があると考えられる。

 ISAAAグローバルコーディネーターRandy Hautea博士が「アジアの遺伝子組換え作物に関する概要」を発表した。さらに中国のアルゼンチン大使館の農業産業官のHernan Viola氏が、「アルゼンチン農業へ遺伝子組換え作物の貢献」について講演した。約30人の貿易、一般、ビジネス、オンライン、放送、国際メディア分野の関係者が、記者会見に出席した。

ISAAA、アースデイを記念して遺伝子組換え作物の貢献をとりまとめ

 2016年4月22日、アースデイ(地球の日)運動が46年目を迎え、世界各地で祝福された。

 アースデイ(地球の日)は、1970年に最初に環境問題に対する人間のエネルギーの課題と意識高揚の声を出すことを目的として始まった。それ以来、食糧安全保障、持続可能性および気候変動の緩和に貢献するように技術も進化してきた。遺伝子組み換え作物も登場から20年以上を経過し、環境保護に貢献してきた存在である。

 国際アグリバイオ事業団(ISAAA)の最新の報告書「バイテク/GM(遺伝子組換え)作物の世界的商業栽培20周年(1996年から2015年)と2015年のハイライト」(概要51)によると、2015年9590万ヘクタールの土地に植えられた除草剤耐性作物は、耕起を減少させることで、農業による環境への負荷を減少させた。これは、例えば生物多様性の保全、森林破壊を防止、土壌浸食、水質汚染、二酸化炭素の排出量の減少など環境上の利点を多くもたらした。これらの利点により、バイオテクノロジーは、社会のニーズに対応していると同時に、環境が保護にも対応している。

アフリカ

インドとアフリカのワタおよび繊維部門の協力関係が強化

 アフリカの遺伝子組換え作物関係者の視察旅行報告書(インドでのワタ農業の現状と今後)には、インドでの9月27日- 10月2日のBtワタハイブリッドに関する東・南部アフリカ6カ国のワタ栽培国の代表団の1週間にわたる「一見百聞にしかず」の視察で学んだ経験と見識が記されている。視察旅行は、代表団がBtワタの農業者の生産地およびインドにおけるバリューチェーンでの状況を訪問でしっかりと見届けることを狙ったものであった。政策立案者、規制当局、ワタ業界の最高責任者、研究者、ジャーナリスト、消費者代表とワタのサブセクターのバリューチェーン内の公共および民間機関の両方から関係者からなる参加者は、農場における典型的な状況をまず実際に見聞した。彼らは、インドでのベネフィットとこの技術を展開するに当たり直面した責任と課題について学んだ。

 この訪問は、国際アグリバイオ事業団(ISAAA)AfriCenter、COMESA / ACTESAと共同して南アジアバイオテクノロジーセンター(SABC-インド)、オープンフォーラム(OFAB-ケニア)とバイオセーフティシステムのためのプログラム(PBS)の共催で行われた。米国農務省(USDA)とMahyco種子会社からも一部の支援を受けた。

エジプトがバイオビジョン2016を主催

 2016年4月12-14日に隔年開催の国際会議である第8回バイオビジョンアレクサンドリア2016(2016 BVA)がアレクサンドリア図書館「ビブリオシカ・アレクサンドリナ」で開催された。この事業は、世界生命科学フォーラムと共同でアレクサンドリア図書館が主催した。バイオビジョンアレクサンドリア2016(2016 BVA)は、市民社会とともに、科学、政策立案、メディア、業界の様々の領域における人間の知性の最高の成果を議論するために、さまざまな国から著名な講演者を集めた。BVA 2016年のテーマは、3つの主要な分野:健康、食品と農業、環境に焦点を当て、「新しいライフサイエンス:これからの道筋」として議論した。 合計1852人がイベントに参加した。

 「10億人を養う:政策と実際」と題するセッションでは、エジプトの農業と干拓担当元大臣H. E. Adel Elbeltagy氏が、エジプトは、トウモロコシの生産性に非常に影響を与えているピンクメイガ(pink stem borer Sesamia cretica)、に対する耐性を持つ遺伝子組換え(GM)トウモロコシを承認したと述べた。彼は、技術を管理するためのガイドラインの重要性を強調した。

 「我々はGM作物の使用を管理するためにエジプトで1995年にバイオセーフティ委員会を設立し、法律を定めた」と延べた。彼は、また2050年までに農業の分野の革新戦略における遺伝子組換え作物がますます重要になると加えた。我々の農業を近代化するには最新の科学を使わずには無理である。我々は、新たな技術革新にあたり、ゲノミックスやナノテクノロジーのみならずあらゆる分野の技術を使用しなければならないと述べた。

アフリカでの遺伝子組み換え作物の栽培面積は2015年に350万ヘクタールに到達

 国際アグリバイオ事業団(ISAAA)の新しい報告書によれば、アフリカにおいて他国が農作物の収量向上と気候変動の影響の緩和をできなかったのに対して、遺伝子組換え(GM)作物の栽培を認めている3カ国は成功を収めたという。

 「アフリカにとって2015年は、GM作物の商業化成功の18年目だった。アフリカではGM作物の栽培面積は1998年からの累積で350万ヘクタール(Ha)となった。ブルキナファソ(35万Ha)、南アフリカ(230万Ha)とスーダン(12万Ha)の3カ国がGM作物の商業化の先鋒である。GM作物の生産により、約2億米ドルの経済的利益がもたらされたと推定される」とISAAA AfriCenterのディレクターMargaret Karembu博士が述べた。

 深刻な旱魃で多くの国で不作になったが、指数関数的な成長が検証された。例えば南アフリカで壊滅的な旱魃で作付面積が23%減少し、気候変動への大陸の脆弱性が示された。2015年に南アフリカは、「アフリカのための水の効率のよいトウモロコシプロジェクト」(WEMA)と称するプロジェクトの下で、旱魃耐性トウモロコシ形質を承認した。このタイムリーな介入によっても、食料安全保障に対する気候変動の影響を緩和するのには長い道のりがありそうだ。

南北アメリカ

4種の「Innate」ポテトがカナダで規制外との承認取得

 カナダ食品検査庁とカナダ保健省は、最近、「Innate」ポテト4品種の商業的使用を承認した。4品種とも米J.R. Simplot社が開発した。

 4品種は、農産物の品質に関連する形質を持っている。これらの特性は、還元糖のレベルが低く、アクリルアミドも低いことと、打ち傷による黒あざがつきにくいものである。

USDA、遺伝子組換えトウモロコシ2品種を規制外と判断

 米国農務省(USDA)動植物衛生検査サービス(APHIS)は、2016年3月23日に2種の遺伝子組換え(GE)トウモロコシを規制対象外とすると発表した。

 1つ目の品種は、スイスSyngenta社グループのSyngenta Seeds社が開発したもので耐虫性とグルホシネートアンモニウム耐性を持っている。 APHISは、以前に規制外としたトウモロコシ品種と同じとのことに基づいてこの種を規制外とした。第二種目は、除草剤ダイカンバ(dicamba)とグルホシネートへの耐性を持つものとして米Monsanto社によって開発された。

GM食品の受容性は教育レベルと所得レベルの上昇とともに上昇

 YouGov and Huffington Postの調査では、GMOの受容性は、学歴や家族の収入に関連があることが示された。

 1000人の米国成人に4月8-10日に科学的問題についてインタビューした。質問の一つは、「遺伝子組換え食品を食べるのは、一般的安全と思うか、安全ではないと思うか」であった。結果は、大学の学位を持つ回答者のほぼ半数(49%)は、GM食品は「一般的に安全」であると答えたのに対して、短大レベルでは36%で高校以下の修了者では22%だった。

 家族の収入もGM食品の受容度を左右する要因であることが判明した。世帯年収が10万ドル以上という回答者の半数(51%)は、遺伝子組換え作物を食べても安全としたのに対して世帯年収が5万ドルから10万ドルの回答者では 42%、5万ドル未満の回答者では26%だった。

米食料雑貨品工業会、農業バイオテクノロジーの推進を米国議会上院に要請

 米食料雑貨品工業会(Grocery Manufacturers Association 、GMA)の2016年サイエンスフォーラムの開会式で、GMAの理事長兼最高経営責任者(CEO)のPamela G. Bailey氏は、米国議会が遺伝子操作された食品成分の開示に均一な国内法を通過させない限り、パッケージラベルに関する非難が消費者へのコスト増加と混乱、遺伝子組換え作物の忌避という農業のパラダイムシフトにつながると述べた。

 「上院は迅速に行動する必要がある。さもないと農家がバイオテクノロジーを利用する機会を失い、より多くの食品会社が事業の再構築を余儀なくされ、消費者はより高い食品のコストに直面することになる」と彼女は述べた。GMOの表示に関するBailey氏の発言は、業界の状態に関する大勢を述べたもので、食品、飲料および消費者向け製品を作っている企業がいかに消費者のために科学と革新を利用しているかを示すものである。

 Bailey氏の発言に続いて、サイエンスフォーラムは、消費材業界の技術革新の様々な側面に焦点を当てた以下の4つのセッションを開いた。

・バイオテクノロジーの技術革新が如何に世界を供給しているか
・消費者の幸せに向けた技術革新の重要性
・いかに技術革新が食品や消費者製品の安全性を向上に貢献しているか
・技術革新による透明性の向上

アジア・太平洋

USAID、南アジアでのGMナスの開発などで米Cornell Universityを支援

 米国際開発庁(USAID)は、バングラデシュとフィリピンでのBtナスの開発と普及を強化するために米Cornell Universityに$ 480万ドル3年間の助成金を授与した。この助成金は、これからの食料供給(the Feed the Future)の標題の下で農業科学と技術を利用して、飢餓と戦い、食料安全保障を向上させるための米国政府の世界戦略の下でUSAIDの働きを支援するものである。

 Anthony Shelton博士(Cornell Universityの農業と生命科学学部の昆虫学の国際的な教授)がこのプロジェクトを率いる。Shelton博士によると、メイガ(fruit and shoot borer、FRB)による侵入で南アジアのナスの70%が市場に出せなくなっている。Bt brinjal(ナス)は、過去11年間にわたって開発されてきて、天然の土壌細菌からの遺伝子を使用してメイガの摂食を停止させる蛋白質を産生するものを開発した。

 これからの食料供給(the Feed the Future)の名の下、南アジアナス改善パートナーシップは、商業化プロセスに向けての技術開発、規制、マーケティング、種子の配布、および製品管理の全ての要素を統合した。-また、政策開発、能力強化構築、性差の平等、展開活動と対話活動のための強力な場を提供している。

ニュージーランドのNZBIO、遺伝子組換え法の見直しを政府に要請

 ニュージーランドのバイオ産業関連団体であるNZBIOによれば、ニュージーランド政府は遺伝子組換え(GM)規則を改正する必要があると認識しているようだ。Will Barker博士(NZBIO最高経営責任者、CEO)は、科学が急速に進んでいることと、ニュージーランドがそれから取り残されていることを、政府は理解する必要があるとしている。彼は、環境大臣Nick Smith博士が発表したGMのルールの「マイナーな修正」が、有害性物質・新生物法(HSNO)で定められていない古い技術をカバーするには十分ではないと述べた。

 「ニュージーランドは、科学の使用に関して、再生可能エネルギーだけでなく、農業、食品や医薬品(その中に遺伝子組換えも含む)などの観点から、経済のために何ができるかを完全な情報に基づいて議論すべきだ」と述べた。Barker博士はさらに、事実に基づかない感情的な論議ではなく、遺伝子改変および他の非遺伝子組換え技術についての真理について、政府は検討すべきであると強調した。

中国、害虫耐性トウモロコシの栽培を計画

 中国は食用と非食用遺伝子組換え(GM)作物の開発に優先順位をつけることを計画しているとLiao Xiyuan科学技術教育省事務局長が2016年4月13日に北京で開催されたバイオテクノロジーの発展の記者会見で語った。

 2015年、中国は国の総需要の87.8%を占めるダイズ製品81.7万トンを輸入した。Liao氏は、世界の総ダイズ作付けの82%がバイオテクノロジーであるため、これらの製品の大部分は遺伝的に改変されていることを指摘した。彼は、中国が世界のGMの開発に取り残されるわけにはいかないことを強調し、彼らは独自の技術革新に取り組むことになると述べた。商品化されている遺伝子組換えワタの栽培を向上させることに加えて、中国は、今後5年間で害虫抵抗性の遺伝子組換えトウモロコシの栽培を推進する計画である。

ヨーロッパ

世界的に広がるGMワタ栽培とその空白地帯

 主に耐虫性Bt品種の遺伝子組換え(GM)ワタは、世界のワタ栽培面積の約70%を占め、遺伝子組換え作物の第3位を占めている。Btワタは、中国、インド、パキスタン、南アフリカ共和国、ブルキナファソおよびその他の発展途上国で特に人気がある。これらの国では、Btワタは重要な経済的、社会的、および環境上の利益に貢献し、1500万軒の小規模農家が栽培している。しかし、幾つかの低所得および重要な綿花生産者がBtの技術を使用していない。ウズベキスタン、トルクメニスタン、タジキスタン、カザフスタン、キルギスなど、中央アジアのワタの生産者は、いずれもまだBtワタを導入しておらず、GMワタ栽培の空白地帯となっている。

 最近の研究では、KU LeuvenのSaule BurikbayevaとJo Swinnenの両氏及びUniversity of GoettingenのMatin Qaim氏は、その低い受け入れ水準、規制問題、または貿易関連の制約などの理由を分析した。しかし、これらの典型的な政治、経済に関する議論は当てはまらなかった。その代わりに、最も可能性のある説明は、中央アジアへの低い害虫の侵入に起因するものであった。これは、耐虫性品種の本当の需要を考慮した場合、世界のBtワタ採用率は既に100%に近いものであると言えよう。研究成果は、Trends in Biotechnologyの4月号に掲載された。

英DEFRA、Rothamsted研究所のGMカメリナ圃場試験を承認

 英国環境・食糧・農村地域省の省(Department of Environment, Food and Rural Affairs 、DEFRA)は、英Rothamsted研究所が2016年-2017年にRothamsted農場で行う遺伝子改変カメリナの圃場試験を承認した。圃場試験は、カメリナ種子中のオメガ3長鎖ポリ飽和脂肪酸(LC-PUFA)の量を評価するために実施される。オメガ3 LC-PUFAは、冠動脈心疾患を予防するヒトの健康へのメリットがある。研究チームはまた、養殖における飼料添加物として使用されているアスタキサンチンを蓄積するカメリナも開発した。この新しい形質の動向も評価する。

作物バイテク以外の話題

米Purdue大、ジカウイルスの構造を明らかに

 米Purdue University、Purdue Institute for Inflammation, Immunology and Infectious Diseases (PI4D)の所長であるRichard Kuhn氏とPurdue's Hanley Distinguished 生物科学教授が率いる研究チームは、ジカウイルスの構造を明らかにした。このことで効果のある抗ウイルス治療やワクチンの開発つながる重要なことがらを明らかになると考えられる。研究チームは、他のフラビウイルスとは異なるジカウイルス構造内の領域を同定した。

 これらは、既知のフラビウイルス構造の全てがウイルス殻のグリコシル化部位を囲むアミノ酸が異なることがわかった。殻は2つの異なる蛋白質の180コピーで構成され、他のフラビウイルスとは異なって、グリコシル化部位がウイルスの表面から突出している。ウイルスの外側にグリコシル化部位が突出しており、ヒト細胞の表面上の付着受容体分子がその糖を認識して結合することが示された。ウイルスは、甘いお菓子のオファーを疑うことを知らない被害者をおびき寄せる恐ろしい見知らぬ人のようなものだ。ヒト細胞は、喜んでご馳走に到達した後、付着してウイルスに捕捉され、その細胞の感染を開始することになる。

 チームは、フランス領ポリネシアの流行中に感染患者から分離されたジカウイルス株を研究し、3.8オングストロームの解像度で構造を決定した。Rossmann氏によるとこの亜原子分解能で、ウイルス構造の重要な特徴を見ることができ、例えば、20の天然に存在するアミノ酸のいずれかを表すものとして、特定の化学的実体を形成する原子を認識できる。

USDA、ゲノム編集技術により遺伝子改変したキノコは規制外と判断

 米国農務省(USDA)は、ゲノム編集技術であるCRISPR/Cas9を使用して遺伝改変した白ボタンマッシュルームは、規制外とした。USDA動植物衛生検査サービス(APHIS)によると、ウイルスや細菌などの植物に害を及ぼす外来DNAが含まれていないため、CRISPR/Cas9で編集された白ボタンマッシュルームは規制外とのことである。

 CRISPR/Cas9で編集された白ボタンマッシュルームは、褐変がないので外観および貯蔵寿命が向上し、自動化機械による収穫が可能である。抗褐変特性は、ポリフェノールオキシダーゼ(PPO)をコードする遺伝子が欠損して、褐変の原因となる酵素がないためである。

文献備忘録

GM生物の環境中の安全性評価に関するOECDの新出版物

 経済協力開発機構(OECD)は、環境中での遺伝子組換え生物の安全性評価に関する2つの新しい出版物を出した。これらの出版物は、2011年から2012年(第5巻)と、2013年から2015年(第6巻)からなるバイオテクノロジーの調和に関するOECDワーキンググループによって開発された生物安全性に関する合意文書を含むものである。

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