バンコクの中心部から太くまっすぐな幹線道路を車で1時間半、古都アユタヤの近くに味の素のアミノ酸生産の最新工場がある。案内いただいたタイ味の素副社長の中村徹氏の言葉には、タイの治水の歴史や課題、農業生産者の生活や経済事情などの話題が度々登場し、地域の環境や経済・社会への貢献を強く意識した工場運営がなされていることが分かる。実際に工場を見学させてもらうと、発酵タンクの制御システムの素晴らしさもさることながら、地域の環境と調和するための設備の専有面積が、必要な生産設備よりずっと大きいことを目の当たりにする。環境対策や安全対策にほとんど投資をしないアジア勢との激しい生産コスト競争にさらされながらも、味の素が世界の発酵業界の雄であり続けているのは、こうした取り組みにより地域に根差した企業運営がなされているからだとあらためて認識させられた。

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