編集長の目
「ポスドク貧乏」を見て見ぬ振りはできない
(2019.10.07 00:30)

2019年10月07日号
坂田亮太郎

この1年ほど私の中で静かに、怒っていることがあります。きっかけは、取材中にある若手研究者が漏らした一言でした。「今の状況じゃ結婚できません。子供なんて夢のまた夢ですよ」。その研究者は若手といっても30代後半で、地方の国立大学でポスドク(博士研究員)として研究に励んでいます。長身で、ルックスも良く、何よりもサイエンスに対する真摯な態度に好感を持ちました。出身地(東京)に長年付き合っている女性がいると聞いたので、「そろそろ結婚ですか」と聞いた答えが上の言葉でした。
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