編集長の目

一企業の不祥事で片付けてはならない化血研問題

(2017.09.21 08:30)1pt
2017年09月25日号
橋本宗明

 今号の特集では化学及血清療法研究所(化血研)を取り上げた。長年にわたり製造販売承認に違反した形で血漿分画製剤を製造し、それが発覚しないよう様々な隠蔽工作を行ってきた化血研の行為は許されるものではない。この組織をこのまま存続させては同じ問題を繰り返しかねないと、厚生労働省のトップが危惧したのは理解できる。ただ一方、化血研はメーカーとして、ワクチンや血漿分画製剤の供給責任も負う。ほぼ使う当ての無い抗毒素やワクチンなども、採算を度外視して備蓄、販売しているが、株式会社に移行すると資本の論理によって不採算事業が切り捨てられないとも限らない。昨年6月、刷新された経営陣のトップに就いた元近畿大学教授の早川堯前理事長は恐らくそう考えたのだろう。そんな前理事長の考えと、事業譲渡を求める厚労省サイドの考えが対立し、厚労省との関係を重視する現経営陣が前理事長に退任を迫ったというのが、今回の取材で判明した化血研を取り巻く状況だ。

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