合成生物学の最前線

エクソソームの分泌を制御し人工mRNAを細胞に送達

東京大学大学院医学系研究科・小嶋良輔 助教
(2018.11.05 00:36)1pt
2018年11月05日号
高橋厚妃

 東京大学大学院医学系研究科生体情報学分野の小嶋良輔助教は、哺乳類細胞を用いて、細胞間のコミュニケーションを制御する研究を手掛けている。その成果の1つが、癌細胞などの標的細胞と接触すると、エフェクター蛋白質を発現して標的細胞を殺傷する細胞で、2018年1月にNature Chemical Biology誌に発表した。具体的には、癌に遊走しやすいとされる間葉系幹細胞(MSC)などの非免疫細胞が、癌細胞に発現するHER2を認識。すると、非免疫細胞に発現しているJAK-STATシグナル伝達経路を阻害する膜蛋白質のCD45模倣体が、JAKが存在する細胞接触面から物理的に隔離され、シグナルの阻害が解除される。その結果、シグナル下流に組み込んだエフェクター酵素が発現する仕組みだ。事前に投与してあった抗癌剤のプロドラッグが活性代謝物に変換されて、癌細胞を殺傷した。

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