(画像:123RF)
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 標的を認識するペプチドにリンカーなどを介して薬物を結合させた薬剤のこと。ドラッグ・デリバリー・システム(DDS)の一種。抗体薬物複合体(ADC)に比べてデリバリー機能を持つ部分の分子量が小さいため、血液脳関門(BBB)を通過させるなど、抗体では届かない場所に薬を届けやすい。またペプチドは化学合成や大腸菌などによる生産が可能なため、製造コストの面でも有利と考えられている。国内ではペプチドリームが複数のパイプラインを研究開発しており、大手製薬企業との共同研究も盛んだ。

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 武田薬品工業とペプチドリームは2020年12月22日、PDCの創製で共同研究契約を締結したと発表した。ペプチドリームがJCRファーマと共同で開発した、血液脳関門(BBB)を通過するトランスフェリン受容体結合ペプチドを活用する。対象は筋萎縮性側索硬化症(ALS)をはじめとする神経筋疾患領域で、中枢神経および全身の筋肉への薬物送達を実現して開発に結びつける。

 アネキサペップ(東京・中央、成田宏紀社長)もPDCを開発するスタートアップだ。同社は、元産業技術総合研究所創薬基盤研究部門フェローで、米Sanford Burnham Prebys Medical Discovery Instituteの福田道子博士の研究成果を実用化するため2018年10月に設立された。福田博士はこれまで、ファージディスプレイによって様々な活性を持ったペプチドの探索を手掛けてきた。その中で、悪性腫瘍の増殖、浸潤に関与し、血管の内皮細胞に特異的に発現するアネキシンA1(AnnexinA1、AnxA1)に対して、ターゲティング能力を持つペプチドを同定した。D体のアミノ酸7個でできているペプチドで、これを、悪性腫瘍を標的とした薬物送達システム(DDS)として利用し、抗がん薬をコンジュゲートしたPDCを創製して開発を進めるのが同社の主なミッションだ。現在国内製薬企業と共同研究の交渉中で、2022年内に製薬企業との提携をまとめ、できるだけ早期に臨床試験を開始できるように準備するという。