有効性が推定され、安全性が認められた再生医療等製品を、条件や期限を設けた上で早期承認する仕組み。医薬品医療機器等法(薬機法)に基づき、再生医療等製品を対象として導入された。これまでのところ、条件及び期限付承認された再生医療等製品は基本的に保険適用され、国民皆保険制度で使えるようになっている。再生医療等製品の早期承認とも呼ばれる。

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 2014年11月に施行された薬機法では、医薬品や医療機器とは別に再生医療等製品の枠組みが新設され、再生医療(組織工学製品)や細胞医薬、遺伝子治療(in vivoもex vivoも)、ウイルス療法、mRNA医薬などが再生医療等製品として扱われることになった。再生医療等製品は細胞や遺伝子を用いることから製品が不均質であることが多く、また、希少な疾患を対象としており少数例を対象とした治験で評価せざるを得ないことが多いため、従来のような承認制度を適用すると、有効性を確認するためのデータの収集・評価に時間を要すると考えられた。

 そこで、再生医療等製品の実用化を後押しし、患者がより早期にアクセスできるよう、早期の治験データから有効性が推定され、安全性が認められれば条件及び期限付承認されることになった。2022年7月時点で、国内では16品目の再生医療等製品が承認されているが、そのうち、(1)テルモの「ハートシート」(ヒト(自己)骨格筋由来細胞シート)、(2)ニプロの「ステミラック」(ヒト(自己)骨髄由来間葉系幹細胞)、(3)アンジェスの「コラテジェン」(ベペルミノゲン ペルプラスミド)、(4)第一三共の「デリタクト」(テセルパツレブ)──の4品目が条件及び期限付承認され、いずれも保険適用されている。

 条件及び期限付承認される再生医療等製品に関しては、製造販売後使用成績調査や製造販売後臨床試験を計画・実施し、7年を超えない範囲で有効性、安全性を検証した上で、期限内に再度承認申請して本承認(正式承認)を取得することになっている。ただし、条件及び期限付承認された再生医療等製品はいずれも保険適用されており、市販後にランダム化比較試験(RCT)を実施するのは難しい。そのため、使用成績調査や臨床試験の比較対照はヒストリカルコントロールなどの外部対照になるケースがほとんどで、市販後に得られるエビデンスレベルには限界があるのが実情だ。

 また、条件及び期限付承認は、承認申請時に開発企業が要望するものではなく、申請データの内容によって、審査過程で医薬品医療機器総合機構(PMDA)が通常承認に当たるか条件及び期限付承認に当たるかを判断している。ただ、どの程度のエビデンスがあれば有効性が推定されたといえるのか、どのような製品に条件及び期限付承認が適用されるのかなど、明確ではない部分もあり、開発企業からは、予見性を高めてほしいという意見が出ている。

 なお、現在条件及び期限付承認されている再生医療等製品のうち、最も早いのは、2015年9月に承認された「ハートシート」である。「ハートシート」は市販後、目標症例数60例における有効性に関する情報と、同様の患者で製品を使用しなかった症例における臨床経過に関する情報を収集し、心疾患関連の死亡に有意差があるかなどを評価する計画を立て、承認期限は5年に設定されていた。しかし、当初の想定ほど症例数が集まっていないとして、2018年11月、承認期限の3年延長が了承され、2023年9月までに再設定された。