(画像:123RF)
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 個人の健康に関する情報は様々ある。病院や診療所を受診すれば診察や検査に関するデータが発生し、処方箋が出れば薬剤データも生まれる。自治体や健康保険組合(保険者)には、健康診断や特定健診のデータも蓄積されている。さらに体重計やウエラブルデバイスを使えば、体重や歩数そして血圧など日々のバイタルデータも記録される。こうしたヘルスケアに関連する情報を、Personal Health Record(PHR)と呼ぶ。スマートフォンなどモバイル端末やクラウドの普及に伴い、こうしたPHRを個人の同意(オプトイン)の下に一元的に集め、その人の健康管理などに活用する動きが近年広がっている。

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 似たような概念の言葉として、EMR(Electric Medical Record)がある。EMRは紙のカルテを電子化したもの(電子カルテ)で、原則として医療機関内部での運用を意図して設計されている。そのため、院内電子カルテとも呼ばれる。さらに広い意味として、EHR(Electric Health Record)という言葉もある。EHRは電子カルテ以外にも検査情報(採血結果、検査画像など)や、患者の既往歴、薬剤や医療行為を記録したレセプト情報も含まれ、外部の医療機関と情報連携を意図して設計されている。そのため広域電子カルテとも呼ばれる。

 健康増進を図るため、政府はPHRの活用を推進しており、マイナポータルから健康・医療情報を閲覧できるようにするなどの取り組みをしている。また2021年4月には「民間PHR事業者による健診等情報の取扱いに関する基本的指針」を策定し、PHRサービスを提供する民間事業者が遵守すべき事項を取りまとめた。

 PHRに対する企業の関心も高い。製薬やITに関連する企業など15社は2022年6月16日に都内で記者会見を開き、PHR(パーソナルヘルスレコード)サービス事業者による団体を設立すると発表した。団体名は「PHRサービス事業協会(仮称)」で、2023年度早期の設立を目指す。製薬企業や医療機器メーカー、通信会社、保険会社などが参加する。PHRサービス産業の発展と国際競争力の確立を目指し、3つの分科会で議論を進める。