(画像:123RF)
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 バイオスティミュラント(Biostimulant)は植物に刺激を与えることで農作物の収量を増やしたり、品質を改善したりする農業資材。作物の最大収穫量は種の段階で遺伝的に決まっているが、発芽以降の生物的ストレス(病害虫・雑草)や非生物的ストレス(温度・土壌など)により減少する。このうち、非生物的ストレスによる収量減少を低減させるために用いるのがバイオスティミュラントだ。全世界でバイオスティミュラントの需要は伸びており、日本バイオスティミュラント協議会は2021 年の市場規模を2900 億円程度と推定している。

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 アミノ酸の仲間であるアラニン(分子量89で窒素原子を1つ含む)は無機窒素肥料の源になることが知られているが、理化学研究所の研究でコマツナに対してアラニンがバイオスティミュラントとして機能することも明らかになった。リン脂質を構成するコリン(分子量104で窒素原子を1つ含む)も、バイオスティミュラントとして機能することが分かっている。

 味の素の連結子会社であるベルギーS.A. Ajinomoto OmniChem社は2017年10月、スペインAgro2Agri(A2A)社の株式の過半数を取得したと発表した。A2A社は、主にアミノ酸をベースとしたバイオスティミュラント製品を製造している。同社は農薬や肥料メーカーなどに対して、原料を供給するB to B事業やB to C事業を行い、世界50カ国以上で事業展開している。

 農林水産省が2020年12月に発表した「みどりの食料システム戦略~食料・農林水産業の生産力向上と持続性の両立をイノベーションで実現~」では、革新的な技術・生産体系を順次開発する目標として、化学農薬の使用低減に向けた技術開発・普及では2040年から、RNA農薬の開発や、バイオスティミュラントを活用した革新的作物保護技術の開発などに取り組むと記載している。