(画像:123RF)
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 食品の機能性を商品のパッケージなどに表示した食品。メーカーなど事業者が食品の安全性と機能性に関する科学的根拠など必要な事項を、販売前に消費者庁長官に届け出れば、機能性(ヘルスクレーム)を表示することができる。特定保健用食品(トクホ)と異なり、国の審査は不要。ただし、事業者は自らの責任において、科学的根拠を基に適正な表示を行う必要がある。

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 機能性表示食品制度は2015年4月1日にスタートした。届出総数は、8年目を迎えた2022年5月25日時点で5504件(撤回を引いた実数は4961件)となっている。過去7年間、毎年右肩上がりで届出件数が増えている。これは、トクホが30年間で許認可数1061件(2022年4月22日現在)であるのと比較すると、単純計算で20倍以上のスピードとなっている。市場規模も順調に拡大しているようだ。矢野経済研究所(東京・中野、水越孝社長)の試算では、2020年度において3044億円に上り、2021年度は3278億円と見込んでいる。新たな機能成分の探索や機能表示に向けた、企業や研究機関の研究が活発に進んでいる。

 事業者にとって、機能性表示食品の大きな魅力は開発コストを大きく削減できること。トクホの場合、臨床試験などに数億円の費用がかかるといわれる。さらに許認可までに数年かかるが、機能性表示食品は期間もかなり短縮できる。これによって販売計画やマーケティング戦略が立てやすくなった。届出制を採用し、科学的根拠に研究レビューも可能としたことも利点である。

 科学的根拠に基づいた表示も、トクホに比べるとかなりの自由度がある。成分に関しては、当初はトクホでも代表的な「難消化性デキストリン(395件)」が届出のトップを走っていたが、現在は「GABA(499件)」が逆転している。さらに、「イチョウ葉フラボノイド配糖体、イチョウ葉テルペンラクトン(147件)」や「ブラックジンジャー由来ポリメトキシフラボン(123件)」など、トクホにはない成分の届出も数多く多彩だ。