(画像:123RF)
(画像:123RF)

 一定の条件を満たした医薬品に対して、臨床試験の一部を省略し、早期の実用化を推進する制度のこと。2017年に厚生労働省の通知の下で施行され、2020年9月には医薬品医療機器等法に組み込まれて法制化された。通常の医薬品は、臨床薬理試験(第1相臨床試験)、探索的試験(第2相臨床試験)、検証的試験(第3相臨床試験)の3つの臨床試験を経て、厚生労働省に承認申請する。しかし、条件付き早期承認制度が適用された医薬品は、第3相臨床試験を実施せずに申請をすることができる。

 同制度が適用された場合は優先審査の対象となり、承認審査の期間が短縮される。また、製造販売後に有効性や安全性を再確認するための調査を実施することを、承認の条件に課される。

 同制度の対象となるには、次の全ての条件を満たす必要がある。(1)適応疾患が重篤であると認められること、(2)医療上の有用性が高いと認められること、(3)検証的臨床試験の実施が困難であるか、実施可能であっても患者数が少ないことなどにより実施に相当の期間を要すると判断されること、(4)検証的臨床試験以外の臨床試験などの成績により、一定の有効性、安全性が示されると判断されること──の4つの条件だ。なお、(4)の検証的臨床試験以外の臨床試験は、一般的に第2相臨床試験の成績が対象になる。しかし、医薬品の性質によっては、それ以外の試験が対象になることもあるという。

 近年では、頭頸部がんに対する「アキャルックス」(セツキシマブ サロタロカンナトリウム(遺伝子組換え))、デュシェンヌ型筋ジストロフィーに対する「ビルテプソ」(ビルトラルセン)、HER2陽性の手術不能または再発乳がんに対する「エンハーツ」(トラスツズマブ デルクステカン(遺伝子組換え))などが同制度の対象となっている。

バイオテクノロジーの専門情報が毎日届く無料メルマガの登録はこちらから
「日経バイオテク」の無料試読のお申し込みはこちらからお進みください。