ヒトミルクオリゴ糖(HMO)は、ヒトの母乳に含まれるオリゴ糖。HMOはラクトース、脂質に次いで3番目に多い固形分で、母乳1L当たりのHMOの量は、初乳では22gから24gで、常乳では12gから13g。約250種類のHMOが存在することが知られている。このうち170種類ほどは化学構造が決定され、20系列に分類される。母親の体質によって、母乳中に分泌されるHMOの種類が異なる。またウシなどの哺乳動物の乳に含まれるオリゴ糖と、HMOとは成分構成がかなり異なる。

 HMOには、母乳栄養児の腸管内でビフィズス菌などの有用腸内細菌の増殖を促進し、有害細菌の腸管内付着を防止するなどの有益な作用が知られる。また、HMOに多く含まれる糖であるシアル酸は、脳神経系の成分の合成原料になる。

 このようにHMOには有益な作用があるため、欧米では、母乳の代わりに使われる育児用ミルクへのHMOの配合が始まっている。HMOの大量生産には、遺伝子組換え技術を用いて品種改良(育種)された大腸菌などが用いられている。HMOの大量生産技術を事業化している企業はデンマーク、フランス、ドイツ、米国、オランダ、韓国などにある。