代謝によって乳酸を作り出す細菌類の総称。ヨーグルトや乳酸菌飲料、漬物などの発酵食品では発酵を進める有用細菌だが、ビールの醸造などにおいては有害細菌である。伝統的なヨーグルトは、乳酸桿菌のLactobacillus delbrueckii subsp. bulgaricusと乳酸球菌のStreptococcus thermophilusの共生発酵によって作られる。このような乳酸菌は酪農乳酸菌と呼ばれる。このような酪農乳酸菌とは別に、ヒトや家畜の腸内から分離された乳酸菌も産業的に活用されている。

 乳酸菌の一部は小腸などに存在する腸内細菌でもある。善玉菌と位置付けられているが、生息数は少なめ。特に酸素がほとんどない大腸では、酸素があっても生息できる通性嫌気性菌である乳酸菌は、酸素があると生息できない偏性嫌気性菌のビフィズス菌に比べると格段に数が少ない。

 日本では漬物などから分離された様々な乳酸菌が食品として広く利用されているが、発酵食品のなじみが薄い米国では、乳酸菌も米国食品医薬品局(FDA)におけるGRAS(一般に安全と認められる)確認を経てから実用化される。