ファージディスプレイは、ファージの表面に、他の分子と相互作用できるような形で、ペプチドや蛋白質を提示する技術のこと。特定の標的分子(抗原)と相互作用する蛋白質や抗体のスクリーニングに利用される。

 ファージディスプレイでは、まずファージに蛋白質やフラグメント抗体などの遺伝子を組み込み、ファージの外殻表面に様々な融合蛋白質として提示させたファージの集団(ファージライブラリー)を作製する。次に、ファージライブラリーと標的分子(抗原)を反応させて、標的分子に結合したファージを単離。その後、ファージに組み込まれた遺伝子から、標的分子と相互作用する蛋白質や抗体を得る。

 1985年に、米University of MissouriのGeorge P. Smith氏が、ファージの表面にペプチドを提示する技術として発表。90年に、英MRC Laboratory of Molecular BiologyのGregory P. Winter氏が、抗体医薬のスクリーニングに応用できると報告した。これらの功績が認められ、Smith氏とWinter氏は、2018年にノーベル化学賞を受賞した。