Toll様受容体(Toll-like receptor:TLR)は、自然免疫に重要な役割を果たす抗原受容体。1990年代後半に同定されて以来、ヒトでは10種類のTLRが存在することが分かっている。

 自然免疫では、病原性の外来微生物などに共通して存在し、かつ宿主には存在しない特有の分子構造(pathogen-associated molecular patterns:PAMPS)を抗原として認識することで、外来微生物などを排除したり、免疫反応を誘導したりする。その際に働く受容体はパターン認識受容体(PRR)と呼ばれ、TLRもその一種だ。

 TLRの種類によって、その発現部位やリガンドとなる抗原が異なる。例えば、リポ蛋白質を認識するTLR-2や、リポ多糖を認識するTLR-4は、マクロファージなどの免疫担当細胞の表面に発現する。一方、2本鎖RNAを認識するTLR-3や、1本鎖RNAを認識するTLR-7は、樹状細胞内のエンドソームの膜上に局在することが知られている。TLRはPAMPSを認識すると、NF-κBやMAPキナーゼなどのシグナル伝達系を活性化し、炎症性サイトカインやケモカインなどの産生を誘導する。