蛋白質を構成する20種類のアミノ酸とは異なる遊離型のアミノ酸の仲間。グルタミン酸デカルボキシラーゼという酵素が触媒する脱炭酸反応によってグルタミン酸から作られる。ヒトや哺乳動物の中枢神経系では、抑制性伝達物質として機能する。日本では1959年から頭部外傷後遺症に伴う諸症状を適応症とした医療用医薬品として利用されてきたが、2000年からは食品の健康機能成分としての表示が可能になった。

 GABAは食べ物では、野菜(トマトやケール、パプリカなど)や果物(メロンやブドウ、バナナなど)、乳酸菌発酵製品(漬物やヨーグルトなど)といった食品に多く含まれ、経口摂取によって血圧高め対策、ストレス・睡眠対策などの健康効用を得られることが分かっている。特定保健用食品(トクホ)ではGABAを関与成分とする血圧高め対策の商品が11品目ある。代表はヤクルト本社が04年から発売している乳製品乳酸菌飲料「プレティオ」だ。

 機能性表示食品では320件以上の届け出があり、半数ほどが販売中。そのうち生鮮食品では、トマトやケール、メロン、パプリカ、ブドウなどに次いでバナナの届け出を行ったドールが2020年5月から血圧高め対策を訴求する機能性表示バナナの販売を開始した。筑波大学発ベンチャーのサナテックシード(東京・港)は、ゲノム編集技術を用いた品種改良によりGABA含有量を高めたトマトの事業化を進めている。