国内で未承認の医薬品などについて、一定の条件を満たした場合に迅速に承認を与える仕組みのこと。医薬品医療機器等法の第14条の3第1項に定められている。具体的には、(1)国民の生命や健康に重大な影響を与える恐れがある疾病による健康被害の拡大を防止するために必要な医薬品であり、かつ当該医薬品以外に適当な方法が無い、(2)医薬品の製造販売承認に係る制度が、日本と同等水準にある外国において販売や授与などが認められている医薬品──という条件を満たした場合、厚生労働大臣が薬事・食品衛生審議会の意見を聞いて承認できる。一般に特例承認の申請者には、承認後に当該医薬品による副作用などを厚生労働大臣に報告するなどの義務が生じる。

 医薬品の製造販売承認に係る制度が日本と同等水準にある国や、対象となる品目などは、「薬機法第14条の3第1項の医薬品等を定める政令」などの関連政令で規定されている。日本政府は2020年5月2日、同政令で定める日本と同等水準にある国に米国を追加し、対象品目に新型コロナウイルス感染症に対する治療薬を追加。これにより、厚生労働省は2020年5月7日、米食品医薬品局(FDA)の緊急使用許可(EUA)を根拠に、抗ウイルス薬のレムデシビルを、「新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)による感染症」(重症患者のみ対象)の効能・効果で特例承認した。