化合物を「異性化」する「酵素」。

 異性化とは、「異性体」が存在する化合物を、1つの異性体から別の異性体に変換すること。異性体とは、化合物を構成する原子の種類と数は同一だけれども、原子のつながり具合が異なることを意味する。異性体は英語ではアイソマー(isomer)という。有機化合物は、4個の原子が共有結合できる炭素原子を持つため、異性体が存在する比率が高い。特に異なる4つの原子または置換基に共有結合している炭素は、異性体が存在する基となる「不斉点」になり得る。

 一方、酵素は、アミノ酸のポリマーである蛋白質のうち、反応を触媒する性質を持つものを意味する。異性化酵素は英語ではイソメラーゼ(isomerase)という。異性化酵素のうち、酵素が作用する化合物内に複数ある不斉点のうちの1つを異性化する酵素を「エピメラーゼ」、不斉点を1つだけ持つ化合物を異性化する酵素を「ラセマーゼ」という。