認知行動療法(Cognitive Behavioral Therapy:CBT)とは、ものの考え方や受け取り方といった「認知」の偏りを修正するなどして、精神的なストレスを軽減する技法の総称。もともとはうつ病に対する精神療法として米国で開発されたが、不安障害やストレス関連障害、統合失調症など多くの精神疾患に対する治療効果や再発予防効果が報告されている。

 人がある出来事を体験し、精神的な動揺が生じると、自身の過去の経験や学習に基づいて構築された考え方の癖(スキーマ)に従って、無意識に思考やイメージを想起する。ここで想起される思考やイメージは「自動思考」と呼ばれる。多くの精神疾患患者では、自動思考がネガティブな方向に過剰に偏っているとされる。そこで、例えば、CBTのうち「認知再構成」と呼ばれる技法では、自動思考をアウトプットし、見直すなどして、自分の状態を客観的に捉えることで自動思考の偏りを改善する。他にも、笑うなどの行動を先に実行することで気持ちを好転させる「行動活性化」という技法や、自分の呼吸に注意を向け、思考と身体の過剰なつながりを緩める「マインドフルネス」といった技法などもある。

 インターネットを活用したCBT(インターネット認知行動療法:iCBT)では、専門家によるカウンセリングを必ずしも必要とせず、ネットの接続環境があればCBTを受けることができる。複数のベンチャーが精神疾患などを対象に、iCBTを盛り込んだ治療用アプリの開発を進めている。