薬物の体内動態を制御して、治療効果の向上や副作用の軽減を図る技術の総称。代表的なDDSとして、(1)病巣に選択的に薬物を送達する標的指向型DDS、(2)製剤からの薬物放出をコントロールする放出制御型DDS、(3)薬物の吸収を改善する吸収制御型DDS――などが挙げられる。

 具体例として、(1)には、抗体薬物複合体(ADC)やミセル製剤などが含まれる。これらは、癌細胞や炎症巣の周囲の血管に特有のもろい血管壁を通過し、病巣に選択的に集積するといわれている。標的指向型DDSは、薬物による全身性の副作用を回避しやすいなどの利点がある。(2)に該当する徐放錠などは、薬効の持続時間が長く、患者の服用回数を減らせる他、血中薬物濃度を副作用が発現する濃度以下に維持できる。(3)には、胃酸による薬物の分解を防ぐための腸溶性コーティング錠や、吸収障壁の透過性を高めるために吸収促進剤を配合した坐剤などが含まれる。