ゲノム編集技術を用いて開発された食品。食品は食塩やにがりなど一部を除き、大半が生物由来だ。食品の主原料となる農作物などの食材と、食品に配合される微量成分、食品加工に用いられて最終の食品には残留しない加工助剤とに分類できる。

 ゲノム編集技術は、育種対象とする生物のゲノム全体の標的部位においてピンポイントで塩基配列などを改変できるという点で、従来の遺伝子組換え技術に比べ精緻度が高い。これまでも塩基配列数が数百万程度と小さな原核生物(核を持たない生物)の細菌などでは、精緻なゲノム編集は可能だった。ここ10年ほどでゲノム編集技術が飛躍的に発展し、塩基配列数が数十億前後と大きな高等生物でも、精緻な編集を高効率で行うことが可能になってきた。従来に比べて大幅に精緻な塩基配列改変のコストも低減した。

 日本では遺伝子組換え食品の安全性確認と表示が義務付けられているが、従来型の遺伝子組換え食品でも、遺伝子組換え細菌を用いて生産される食品・食品添加物については、異種遺伝子を含まないセルフクローニングに該当するということで、遺伝子組換え食品の表示は必要としない制度が運用されてきた。ゲノム編集技術の登場により、植物や動物などのゲノムサイズが大きい、いわゆる高等生物についても、セルフクローニングで育種することが可能になってきた。