RNPはRibonucleoproteinの略称で、リボ核蛋白質またはリボヌクレオ蛋白質と訳される。第3世代のゲノム編集ツールとして急速に普及しているCRISPR/Casシステムは、ゲノムの標的部位の塩基配列を認識するように設計されたガイドRNAと、ガイドRNAと複合体を形成してDNA2本鎖を切断するはさみの役割を果たすCas蛋白質とで構成される。

 CRISPR/Casシステムを細胞内で作用させるには、色々な方法がある。ガイドRNAの塩基配列に対応した塩基配列を持つDNAと、Cas蛋白質のアミノ酸配列をコードした塩基配列を持つDNAとを細胞内に入れて発現(ガイドRNAはDNA→RNA、Cas蛋白質はDNA→mRNA→蛋白質)させるか、両方ともRNAとして導入してもよい。Cas蛋白質を作用させるには、Cas蛋白質そのものを細胞に入れてもよい。

 Cas蛋白質とガイドRNAの複合体を細胞に入れることにより、CRISPR/Casシステムを働かせるゲノム編集ツールが広く用いられており、RNPと呼ばれる。この場合、このツールにDNAそのものは存在しないため、ゲノム編集ツール内のDNAが標的生物のゲノムに入り込むリスクはほぼセロといえる。ただし、逆転写酵素が共存すれば、RNAからDNAが作られることはあり得る。なお、ゲノム編集ツールの第1世代のZFNや、第2世代のTALENは、蛋白質のみで作用するので、DNAもRNAも含まないツールとして利用できる。