癌細胞を認識する抗体と色素をリンカーでつないだ複合体を投与し、近赤外線を照射して色素を活性化させ、癌細胞を破壊する治療法。近赤外光免疫療法とも呼ばれる。抗体によって、癌細胞に選択的に色素が運ばれた後、近赤外光照射によって活性化した色素が、癌細胞の細胞膜を傷害することで物理的に癌細胞を破壊する。

 癌細胞の破壊に伴って放出される蛋白質などの抗原が、樹状細胞などによる癌免疫を活性化することも知られている。癌免疫の活性化により、近赤外光の照射では破壊されなかった周囲の癌細胞に対しても二次的な治療効果が期待される。

 米Rakuten Medical社は、癌細胞表面に発現する上皮成長因子受容体(EGFR)を標的とする光免疫療法ASP-1929(開発番号)の開発を進めている。ASP-1929は抗EGFR抗体のセツキシマブと、近赤外光に反応する光感受性色素であるIR700の複合体だ。同社は頭頸部癌を対象にグローバルでフェーズIIIを進めている。また、国立がん研究センター東病院では食道癌を対象にしたASP-1929の医師主導治験も行われている。