岡山大学の難波正義名誉教授が発見した癌抑制遺伝子「REIC/Dkk-3」を活用した、癌の遺伝子治療用製剤。REIC遺伝子は癌細胞での発現が正常細胞よりも低下しており、REIC遺伝子を発現させた癌細胞はアポトーシスを引き起こすことが確認されている。岡山大の公文裕巳特命教授が、アデノウイルスベクターを用いてREIC遺伝子を癌細胞で強制発現させ癌細胞選択的にアポトーシスを起こす製剤を開発した。第1世代のAd-REICを改良した第2世代のAd-SGE-REICは、REIC蛋白質の発現を増強するエンハンサーSGE(Super Gene Expression)システムにより発現量が10倍以上に上昇したものだ。

 2007年に設立した桃太郎源が開発を進めており、現在は米国において、前立腺癌を対象にしたフェーズIIを実施している。また杏林製薬が国内での開発を進めており、2015年9月に悪性胸膜中皮腫に対するフェーズIを開始し、2018年6月にフェーズIIを開始した。2019年6月開始の中皮腫を対象としたニボルマブとの併用フェーズIIは、Ad-SGE-REICの癌免疫活性化との相性の良さから、以前から検討してきたもの。2015年9月の記者会見で公文氏は「免疫チェックポイント阻害薬による治療との組み合わせも考えていきたい」と話していた。