低ホスファターゼ症(HypoPhosPhatasia:HPP)は、組織非特異型アルカリフォスファターゼ(TNSALP)の活性低下に伴う骨の石灰化障害を主徴とする極めてまれな遺伝性代謝疾患。TNSALPをコードするALP遺伝子の変異が原因とされる。

 TNSALPは骨石灰化の阻害物質である無機ピロリン酸を分解し、無機リンの濃度を上昇させる。その結果、無機リンがカルシウムとともにハイドロキシアパタイトの結晶を形成し、骨に沈着して石灰化を生じる。HPPの患者ではTNSALPの活性が低下しており、骨の破壊や変形などの骨格異常の他、筋力低下、痙攣発作、呼吸不全などの全身性合併症が生じる。

 治療として、米Alexion Pharmaceuticals社が2015年に発売した「ストレンジック」(アスホターゼ アルファ)による酵素補充療法が知られているが、週に複数回の皮下注射を要し、患者への負担は大きい。PuREC(島根県出雲市、小林祥泰社長)はHPPによる先天性骨形成不全症を対象に、超高純度ヒト間葉系幹細胞(Rapidly Expanding Cells:REC)を開発している。RECが骨組織に定着し、骨形成を促進することが期待されており、2020年内にも医師主導治験を開始する予定だ。